カテゴリ:そばの雑学
久しぶりにそばの雑学。 まずは私が栽培したそばの写真を見ていただきたいと思います。これは8月のお盆過ぎに種を蒔いてから二月あまり経ったころ撮ったものです。 ごらんのとおり、そばの茎はずいぶん曲がりくねっていますね。まるで地を這うかのようです。それと茎の根元が赤みを帯びてるのがわかります。 そばは「そば75日」という言葉があるように、種を蒔いてから発芽も成長もたいへん早い植物で、この鉢植えのそばもすでに茎の先につけた花はすっかり枯れてその根元が黒く結実し始めています。 私の観察したところによれば、結実が進むにしたがって茎の根元はますます赤みを増すようです。そばの産地ではこれをそばの「赤すね」と呼び、このような神秘的な民話が伝わっています。 そば粉の製造メーカー日穀製粉のホームページに九州宮崎地方の民話が紹介されていました。 昔「むぎ」と「そば」の姉妹がおった。 冬の寒い日、老婆が「川を背負って渡してくれ」と頼んだが「むぎ」は断り「そば」一人で渡したそうな。「そば」の足は冷たい水で真っ赤になり今も茎が赤いんじゃ。これを見た神様は「そば」を夏の太陽ですくすく育つようにしてくれたが「むぎ」は冬に踏まれるものにしてしまったとさ。 古来よりこの国の民は米を主食として栽培してきましたが、米や麦と違って収量はそれほど見込めなくとも、荒れてやせた土地でもよく根つき、手間暇をかけなくても実を結ぶ作物として農家で重宝がられてきのがそばでした。 冷害や台風による洪水で米の収穫が見込めない年、山間の荒れた土地に蒔いておいたそばがどれほどこの国の民を救って来たことか。 そんな辛抱強さがよく似合うそばなればこそ、そばの「赤すね」の民話が今日まで語り継がれてきたのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年10月19日 12時41分31秒
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