カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日の朝のお楽しみ、漢字学者阿辻哲司氏による日経連載「遊遊漢字学」、本日阿辻先生が取り上げた漢字は「顰蹙(ひんしゅく)」。 これまでは誰でも知っている「花」や「旅」、「席」といった比較的やさしい漢字が取り上げられてきましたが、今回は久しぶりに漢字らしい漢字といえますかね。 そもそも「顰蹙(ひんしゅく)」と正しく書ける人は少ないのではないか? 「顰」とは眉をひそめること、「蹙」とは顔をしかめることを指すのだそうです。 正直に申し上げます。ひそめるは「顰める」、しかめるも「顰める」と書けること知りませんでした。(苦笑! まったくこの苦笑こそ、眉をひそめ、顔をしかめた表情そのものと言えますね。(笑! 出典は「荘子」の天運編ということですから、紀元前の世界になります。 今から2000年以上も前の中国に、絶世の美女がいた。この美人は胸に病を持っていたために、胸の痛みに耐えようと時折顔をしかめることがあった。その苦し気に顔をしかめる姿がまた大変に妖艶であったがために、村の女(「醜人」と書いてある)たちが同じように胸を押さえては顔をしかめるしぐさを真似るようになったと。 すると村の金持ちたちは戸を閉ざして外出しなくなり、貧しい者たちは妻子を連れて他の村に移り住むようになってしまった。 こんな故事から、実力や身の程を知らず、優れた人の業績や行為をただ外面だけ模倣することを「顰蹙」というようになったと。 転じて現代では「顰蹙を買う」で、「良識に反する言動をして人から嫌われ、さげすまれる」ことを指すようになったのだと。 このような由来を持つ「顰蹙」、その背景には女性を美醜の違いで差別するようなセクハラ用語ともとらえかねないものがあると阿辻先生は述べておられます。 それにしても、胸の痛みに眉を顰め、顔を顰める絶世の美女の姿はどんなだろうと想像してしまいます。( ← イエローカード! それこそ顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまいそうです。(爆笑! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 10時08分57秒
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