カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。今日阿辻先生が取り上げたのは「葦編三絶」。 正直に申し上げます。「葦編三絶(いへんさんぜつ)」なんてことば、初めて目にしました。ただただ己の不明を恥じいるのみです。 今回は「葦編三絶」もさることながら、現代のわれわれが普段使用する書物に関係する漢字が数多く紹介されていて、大変興味深く読みました。 漢字の歴史は紀元前三千年前の甲骨文字にまで遡ることができますが、紙が発明されたのは紀元前100年前後のこと。紙ができるまでの一千年余りの間、漢字は何に書かれていたのかといえば、竹や木を削った札。これが「簡」で、一本の「簡」に書ききれないときは、何本にも書きそれを紐で綴り合せて「冊」とした。 今日我々は本を一冊、二冊と数えますね。なるほど「冊」は、「簡」が紐で綴られた状態をうまく表しています。その「冊」を一方の端からクルクル巻いて巻物にしたものが「篇」で、後に絹や紙に文字が書かれるようになると「編」と表されるようになった。 予備知識が整ったところで「葦編三絶」について。 「葦(い)」とはなめし革のこと。したがって「葦編」とはなめし革の紐で綴られた書物ということがわかります。 孔子は「易経」を愛読したそうで、何度も何度も繰り返し読んだためなめし革のとじ紐が三度も切れたという故事がその由来と、阿辻先生は教えてくれています。 ところで、日経に阿辻先生の「遊遊漢字学」が連載されたのが昨年の4月のことでした。1年半近く経ちますから、これで何回めになりますかね。今日で75・76回あまりということになりましょうか。私はそのうち56回を「『遊遊漢字学』が楽しみ♪」で取り上げたことになりますね。 世界に類を見ない優れた表意文字「漢字」は、それこそ無尽蔵にあるわけですから、阿辻先生の漢字についての豊富な知識と見識を学ぶことができる「遊遊漢字学」、この後もずっと連載が続くことを期待しています。また、改めて編集され出版されることも切に希望します。 そうすれば、孔子の「葦編三絶」とまではいかないにしても、何度も何度も繰り返し読んでみたいものだと心ひそかに楽しみにしています♪ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 11時05分39秒
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