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テーマ:音楽のお仕事♪(1676)
カテゴリ:└コーチング・強み
以前に連載していた、「生徒の強みをレッスンで活かそう」シリーズの中で、生徒の思考や行動から強みを発見するシートをご紹介しました。
「好きなこと・得意なこと発見シート」です このシートは、 生徒のできていないところを指摘するより、できているところ、得意なことを認めて、生徒のやる気を引き出そう という考えをもとに作成しています。 昨年配布した無料レポートでは、これをもとに、さらに具体的な、「レッスンに役立つアドバイス」をまとめ、反響をいただきました。 今回のシリーズでは、それを3回に分けて公開いたします。 【はじめに ~林のレッスンに対する想い~】 私は、横浜でピアノ教室を開いています。 初めてレッスンに来る子どもたちは、みんな、期待と不安でドキドキしながら、教室にやってきます。 初めて教わる何もかもが珍しく、楽しくレッスンに通ってくるのがわかります。 そんな子どもたちの初々しい気持ちを感じたとき、「ピアノ教室をやっていてよかった!」と、心から思います でも……うれしいことばかりではないんです。 生徒の中には、ピアノに対する意欲がなくなり、ピアノから離れてしまう子どもたちもいるから…… かといって、意欲のなくなった子全員が、ピアノが嫌いになってしまったわけではないんです。 ほとんどの子が、さまざまな出来事のある日々の生活の中で、ピアノの優先順位を高いまま維持していくのが難しくなってしまうだけ。 「どうして、同じようなレッスンをして、同じような教材を使っているのに、ピアノが大好きなまま続けられる子と、意欲がなくなってしまう子が出てくるの?」 私は考え続けました。 その結果、原因の一つとして いままで、一人ひとりの個性や、意欲や、環境に合わせた対応ができていなかったかもしれない ということに思い当たりました。 もちろん、生徒のやる気や能力に合わせて教材を変えたり、教える内容を多少変えたりはしていましたが、それはあくまで「表に見えている事象」に対して、対応を変えていたにすぎなかったんです。 表に見えている事象とは 「よく練習するからやる気があるのかな」 「どうも呑み込みが悪いな」 そういったことです。 コーチングを学んでから、「表には見えにくいもの」「表れていてもレッスンには関係ないと見過ごしてしまうもの」にも焦点を当てるようになりました。 生徒を深く見つめて、個性や、発達具合や、思考・行動の傾向などを見極め、その子が一番ピアノに取り組みやすい方法を、一緒に考えてあげるようになったんです。 どうしてそう考えるようになったのかというと、やはり、自分自身がコーチングを受け、人様にもコーチとしてセッションをするようになったことが大きいです。 私はピアノ教室を営む傍ら、数年前からより良いコミュニケーションの方法である「コーチング」を学び、レッスンで悩んでいる全国の先生方のサポートをしてきました。 そのやり方は、主に、電話による一対一の「パーソナル・コーチング」です。 「パーソナル・コーチング」では、一人ひとりの先生の話を深く聞いたり、やり方を観察したりしながら、個性を見極め、じっくりと相手に合った方法で、長く関わっていきます。 先生方は実に様々な悩みを相談してきますが、それに対し「私はこれでうまくいったから、先生もこうしてみたらどうでしょう?」という提案は、あまりしません。 それは、私自身がうまくいった方法が、その人に合うとは限らないからです。 人は一人ひとり感じ方や得意不得意が違います。 一人でコツコツやるのが好きな人もいれば、仲間とワイワイやるのが好きな人もいます。 出来上がってからほめてほしい人もいれば、取り組んでいる過程そのものを認めて励ましてほしい人もいます。 その人にとって一番心地よいやり方を一緒に見つけてあげることこそ、真のサポートなのだと思います。 レッスンをしないだけで、コーチングとピアノのレッスンとは、共通点が多いです。 それは、コーチングも、ピアノのレッスンも、結局は人間対人間の関わりだからです。 ピアノのレッスンにおいても、ただ「練習しなさい」と強制するだけではなく、 「この子が一番取り組みやすい方法はどんなものだろう?」 「どうやって接すると、やる気がでるのかな?」 という視点で一人ひとりをよく観察していくことで、一人ひとりの「違い」を見極め、 本人のやりたいことを尊重するのはもちろん、「ピアノ技術習得の壁」を乗り越えるサポートを、一人ひとりの性格や能力などに合わせて変えていくことが大切なんです。 遅ればせながら、そのことに気付いた私は数年間実践を続け、そのエッセンスをまとめました。 ベテラン先生方は、もちろん、私が試行錯誤の上たどりついたことを、「ごく自然に」やっていらっしゃると思います。 それでも、レポートを読んでくださった先生方からは、 「今までやってきたことが間違っていなかったと確認できた」 「いつもぼんやりやっていたことが、活字でまとめられているとありがたい」 というご意見をたくさんいただいています。 ありがたいことです。 長くなりましたが、このシリーズでは、「生徒の個性に応じたレッスン」を中心に、今まで見落としがちだった、「生徒の個性に合わせたレッスン」をご紹介していきます。 このシリーズが、「最良のレッスンとは何か」を考えていくきっかけになればうれしく思います。 生徒の個性別レッスンアドバイス★総合目次 1・思考と行動の傾向別レッスンアドバイス 2012年3月30日更新 2・対人関係の取り方の傾向別レッスンアドバイス 2012年3月31日更新 3・学習傾向別レッスンアドバイス 2012年4月1日更新 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.04.02 06:25:37
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