年を重ねるにつれて食が細くなってきます。
活動量も落ちてきますから、
ついつい食べる努力を忘れがちですが……。
105歳という、まさに長寿を全うされた日野原医師は、
「食事は1日1300キロカロリー」と決めておられました。
そのお話を伺った時点で、先生は既に90歳を優に超えておられました。
とはいえ現役の医師として診療を続けているのにエネルギー不足ではないのかと、
ちょっと心配になったりもしたのですが、
ご自身の身長、体重、1日の運動量などから割り出された値とのこと。
高齢になればなるほど大事になってくるのは、
カロリー源よりむしろたんぱく質やビタミン、ミネラルの類で、
「その必要量は、若いときと変わらないわけですから、
高齢になればなるほど意識して、アミノ酸スコアの高い良質たんぱくと、
野菜や果物をしっかり摂らないとね」
というわけで日野原医師は、
夕食に100g前後のステーキを週に2~3回と、
いい油のドレッシングでサラダを山盛り、こちらは毎日食べておられるとのこと。
加えて、「脳にもエネルギーが必要ですから、夕ご飯だけ炭水化物を摂ります」
と、話しておられました。
→ 「健康長寿」と「たんぱく質」と日野原医師
脳のエネルギー源となるのは、
ご飯やパンなどの炭水化物や砂糖などの糖質、特にブドウ糖です。
このブドウ糖の補給を怠っていると、脳はエネルギー不足に陥り、
その状態が続くと認知機能が低下して、認知症にもつながると考えられています。
「だから炭水化物も欠かせませんが、たくさん摂る必要はない」
というわけで、1300というローカロリーで「私の場合は十分なんです」
と、笑顔で話される日野原先生でした。