8月8日 朝焼け
8月8日、朝5時前に目が覚めた。用を足した後いつもは外を見ることも無く
もう一度ベッドに横たわるのだがこの日は遮光カーテンの隙 間から東の空を
眺めた。すると絢爛たる黄金の夜明けショウが繰り広げられて居た。
早起きの人にとっては毎日の出来事なのだろ うが、寝ぼすけ爺にとっては
めったに無い機会なのでカメラを探した。
カラス戸越しでは変な翳りが 移ってしまうが、ギリシャの女神が薄布をつけて
天から降りて来ているようなティチアーノの絵画背景を思わせる。
ベランダに出てみると見ると黄 金色はさらに鮮やかに映る。
日の出が近づくと雲の下端が一 段と純金色に染まる。
ややあって西側の近くのマン ションの窓が突然煌々たる灯りに照らされた。
最初住人が起き出したかと思ったが左右上下の窓も輝いており
強度が規則正しい変 化をしている。
はっと思って東のスカイライ ンを見ると、遠くのマンションの陰から
元気な元気なお日様のお出ましである。
この日も北海道を含む日本全土 を焼き焦がすつもりらしい。
もう一度西の空を見上げると大 きな虹。
雨が降っている気配も無いのに大きな円弧を描いている。何かが奇妙に
感じられたが寝ぼけ眼で見ている性だと思ってい た。今考えるとそうではない
虹は午後夕立に伴って目にするものである。つまりは私が今までに見た
虹は全て太陽の反対側すなわ ち東の空に架かるものばかりであった。
つまり私は今までこのような地 上景色の中での虹は見たことが無かったのだ。
早起きは三文の徳(得)と良く 聞かされていたが確かに面白い景色を見せてくれた。
だがこの日は昼寝を余儀なくされてしまった。