今日はアオバハゴロモを紹介する。昔からこの辺りに居るハゴロモ類の1種である。昔は他にスケバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、テングスケバ等が居たが、最近ではこのアオバハゴロモと先日紹介したミドリグンバイウンカだけである。
イネの害虫として著名なウンカ類も、上記のハゴロモ類とは少し外見が違うが、同じハゴロモ上科(ビワハゴロモ上科)に属す。一方、先日紹介したオオツマグロヨコバイ(ツマグロオオヨコバイ)は、外見はウンカに似ているが、ヨコバイ類とハゴロモ類(ハゴロモ、ウンカ)は、実はかなり離れた仲間なのである。
アオバハゴロモ.緑色を基調に青白色と紅色を散りばめ美しいが
肉眼では良く分からない(2007/08/24)
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ヨコバイ類はツノゼミ上科に属し、ハゴロモ類よりもアワフキムシやセミに近い。ヨコバイ類がハゴロモ類と何処が違うかというと、・・・ヨコバイやセミ類では単眼が複眼間の上側(頭頂)に位置し、中脚基節は短く左右接近し、肩板を欠くが、ハゴロモ類では単眼は通常複眼の下側に位置し、中脚基節は長く左右に離れ、肩板を持つ点にある・・・。と言っても、中脚基節は生態写真では中々見えないし、ハゴロモ類の単眼は何処にあるのか分かり難い。
背側から見たアオバハゴロモ.複眼の間に単眼はなく
翅の付け根に肩板が見える(2007/08/24)
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昨年紹介した
オオツマグロヨコバイの写真を御覧頂きたい。1枚目の写真で、頭部の背側にある丸い斑紋の両側(写真は横向きなので上下)に見える小さい斑点が単眼である。翅の付け根は平滑で、肩板と思しき構造は認められない。
一方、アオバハゴロモの単眼は何処にあるか分かり難い(一番上の写真で複眼の右側にある白っぽい斑点がそれだと思う、更にその右の暗色部分は触角)が、少なくとも頭頂にはなく、また、翅の付け根の上に肩板があるのが見える。
正面から見たアオバハゴロモ.上の写真と同じく、複眼間に単眼はなく
翅の付け根に肩板が見える(2007/08/24)
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まァ、何れにせよ、肉眼ではとても分からない「微細な」違いである。しかし、こう言う基本的な違いに気を付けていないと、種名の分からないヨコバイの仲間を誤って「ウンカの1種」としてしまうことも有得る。これは、かなりの「大間違い」と言える。