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テーマ:日々自然観察(9942)
カテゴリ:クモ
実は、このハエトリさん、前の日に何処からか私の服にくっ付いて来て、仕事部屋の中で行方不明になっていたのである。部屋は外光が入らない様に締め切ってあり、スタンドが一つあるだけなので、一旦逃げ出したハエトリグモは直ぐに闇の中に消えてしまった。潰されなければよいが、と思っていたら、次の日、消えた場所と寸分違わないところに現れた。今度は、チャンと捕まえて、庭に放してやった。
放したのは木の葉の上である。建物の外壁や塀などが住処なのなら、一寸不適切だったかも知れない。
かなり敏捷で、彼方此方休む暇もなく歩き回り、また、葉から葉へ飛び移り、焦点を合わせるのに結構苦労した。
クモの呼吸器官には、余り効率の良くない書肺と昆虫と同じ気管系の2つがある。原始的なトタテグモや所謂タランチュラなどは書肺しか持たないので、直ぐに息切れがする。獲物を捕らえる一瞬は、体内に既に溶けている酸素を使うので素早いが、後が続かない。一旦酸素を消費してしまうと、その補充に時間がかかるのである。 一方、ハエトリグモ類は、クモとしては効率の良い気管系が発達している。だから、この様に休む暇もなく素早く歩き回っても息切れしない。
クモさんは、スイレンボクからブルーベリー、西洋シャクナゲと移り歩き、やがてニワナナカマドの茂み中へ姿を消してしまった。 これまでに紹介したハエトリグモは、アリグモを含め、全部でたったの4種。この辺りにはもっと沢山のハエトリグモが居る筈で、4種とは如何にも寂しい。次にはどんな種類が現れるであろうか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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