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2009.07.22
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 今日は「庭を漂う微小な羽虫」の第2回目である。第1回目に紹介した「ウスイロチャタテ科の1種(Ectopsocus sp.)?」は、飛んでいるときは、直径は2.5mm位のオボロな輪郭を持つ茶色の玉の様であったが、今回のはもう少し大きく、全体的に黒っぽい。単位時間当たりの羽ばたき数もチャタテムシよりは少ない様で、かなり動作がトロイと言う感じ。何となく、アブラムシの有翅虫ではないかと思ったのだが、やはり「当たり」であった。


ヒラタアブラムシ亜科の1種(有翅形)1
ヒラタアブラムシ亜科の1種.翅脈が良く見える

(2009/07/04)



 このアブラムシの有翅虫も初めは手で捕まえた。しかし、前回のチャタテムシ同様、指の関節の間に挟まれてしまい、掌を開いてみた時は既に御臨終。そこで、普段は纏わり付くヒトスジシマカを退治するのに使用しているネット(志賀昆の36cm:本来はハエを採るつもりで買ったもの)で採集した(蚊は網の中で圧殺してしまうので、網がかなり汚れている)。

 しかし、コムピュータにデータを移しよく眺めてみると、どうも普段見るアブラムシの有翅虫とは少し違う様である。縁紋(下の写真を参照)が矢鱈に目立ち、体長も1.5mm強とかなり小さい。アブラムシ上科には、1860年代に欧州のブドウを殆ど全滅させたネアブラムシ科(フィロキセラ科)や専ら針葉樹に付くカサアブラムシ科と言う、今まで見たことのない連中も居る。しかし、検索表で調べてみると、R1脈からRs脈が分離して存在しているのはアブラムシ科とのことなので、この有翅虫はアブラムシ科として問題ない様である。

 科から亜科への検索表は手元にない。しかし、このアブラムシの有翅虫では、Cu1脈とCu2脈がR脈の1個所から分かれて出ている(下の写真参照)。これはヒラタアブラムシ亜科の特徴らしい。以前紹介したヤノイスフシアブラムシもヒラタアブラムシ亜科に属すが、今日のアブラムシとこのヤノイスフシアブラムシの翅脈相は非常によく似ている。

ヒラタアブラムシ亜科の1種(有翅形)2
翅脈の名前を示す.縁紋が顕著

(2009/07/04)



 其処で、「日本原色アブラムシ図鑑」でヒラタアブラムシ科の有翅虫を1種ずつ見てみる(この図鑑では何故か科に付いて何も書かれていないので、自分で科の目次を作ってある)。・・・すると、何とエゴノネコフシアブラムシの有翅虫とソックリであった。

 このエゴノネコフシアブラムシは一般にエゴノネコアシアブラムシと呼ばれ、エゴノキにシキミの果実(或いは香辛料の八角)の様な形の虫えいを作り、兵隊アブラムシと言う階級分化の見られる種として有名である。エゴノキなら、隣のオジサンの家に植わっている。

ヒラタアブラムシ亜科の1種(有翅形)3
ストロボの反射で構造色が出ている

(2009/07/04)



 しかし、その木を見に行くと虫えいは古いものが僅か1個しか見当たらなかった。また、エゴノネコフシアブラムシの夏寄生植物はアシボソやチヂミザサなどの単子葉草本である。我が家には何方も生えていない。それに、写真のアブラムシの有翅虫はズミ(ヒメリンゴ)の木の周りをフワフワ飛び回っていることが多かった。

 東京都本土部昆虫目録を調べてみると、ヒラタアブラムシ亜科は28種も記録がある。まァ、エゴノネコアシアブラムシと決めつけないで、「ヒラタアブラムシ亜科の1種」としておくのが無難であろう。

ヒラタアブラムシ亜科の1種(有翅形)4
ヒラタアブラムシ亜科の有翅虫は翅を平らに畳む

(2009/07/04)



 庭を漂う微小な羽虫、今回は捕まえる前に予想した通りアブラムシの有翅虫であった。最近はチャタテムシもこのアブラムシの有翅虫も見かけず、別の虫が飛んでいる。この次の「庭を漂う微小な羽虫」には、一体何者が登場するであろうか。







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最終更新日  2009.07.22 10:49:31
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