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テーマ:動物愛護(608)
カテゴリ:みやざき動物愛護センター
■ 安 楽 死 愛護センターで、1匹の老犬をめぐる 殺処分議論が交わされていました。 殺処分すべきだとの意見。 それも「尊重」があるからこそだと、 思えてなりませんでした。 「排除」という意味ではないことも、 職員さん達が奮闘してた様子も、 ボードの記録から伝わりました。 殺処分すべきだと申し出た職員さんは、 回復の見込みがないのならば、 痛みや苦しみを、ただ与え続けるだけ! 生き地獄から解放させてあげたい… 老犬を想うからこその 判断だったんです。 何が正しいのか、 何が間違いなのか、 老犬に携わってない私には、 ジャッジする権利も資格もない。 私がやるべきことは、 自分だけの正義を貫くこと。 自分の気持ちに従って動くだけ。 この老犬と向き合ってくれた 愛護センター職員さんたちに 「ありがとうございます」 老犬の尊重を訴えた副代表に 「率先して動いてくれてありがとう」 そして… この老犬に、真っ先に伝えたかった。 「生きててくれてありがとう」 タモさん(仮) ■ 命のカウントダウン レスキュー後、動物病院へ。 腎臓、肝臓、脾臓…驚くほど悪く、 そのまま緊急入院。 三日間治療を続けましたが、 回復の見込みはないとのことでした。 看取りしか残されてない… それならば、 タモさんらしい最期を迎えさせよう! タモさんは、退院しました。 保護家のお部屋が足りず、 24時間介助が必要な老犬は、 廊下に集合。 臨時で用意した「介護ルーム」 なんてお粗末な施設なんだろう… 首に大きな腫瘍を抱えてるタモさん。 もう手術はできない身体でした。 ひんぱんに多量の出血があり、 その都度、血を拭うことしか 方法はありませんでした。 本来ならば、 立ち上がる力も残ってないはず。 それでも、 タモさんは何度も立ち上がります。 気力だけで生きている… そんな気がしてなりませんでした。 飼主さんを待っているんだろうか… お家に帰れると信じているんだろうか… そんなの無理なのに… 絶対ムリだよ! タモさんは… 日に日に衰弱していきました。 どんなに頑張っても、 余命一週間だろうと… 体が最期を迎える準備に入ったな… そう感じました。 この写真の時のような力強い目が、 タモさんから消えていたんです。 飼主さんに会えないことも、 お家に帰れないことも… 全部知ってしまったのかもしれません。 ■ 奇 跡 タモさんが、下り坂に足を踏み入れた2日後… 飼主さんがタモさんを 探し出してくれたんです! お庭を自由に過ごしてきたタモさん。 扉が少し開いてしまってたようで、 少し目を離したすきに、 お外に出てしまったとのことでした。 飲まず食わず放浪してたのでしょう… 「こんなに痩せて…」 ガリガリにやせ細ったタモさんを 涙しながら抱きしめた飼い主さん。 死に向かってたタモさんの目は、 「希望」を見出したような力強さを 一瞬にして取り戻しました。 生きる気力が湧いてきたのでしょう… タモさんが赤ちゃんの頃から ずっと一緒だったそうです。 飼い主さんにとって、 タモさんはおばあちゃんではなく、 赤ちゃんのままなのでしょう。 いいえ、タモさんは15年ぶりに 赤ちゃん期に戻ったのでしょう…。 これが、老犬の魅力の一つでもあります。 ちなみに・・・ タモさんは「チビちゃん」でした。 チビちゃんと飼主さんには 「温かい記憶」かけがえのない 贈り物を頂きました。 ■ 卑 屈 な 自 分 実は、タモさんのレスキュー前、 タモさんの捕獲時の状況を 愛護センター職員さんから聞いてました。 首の腫瘍から出血しており、 止血のためか、首にはタオルが 巻かれていたとのことでした。 真新しいピンク色の首輪も 付いていたと…。 「だから…捨てられた子じゃないと思う! 飼い主さんが探してるかもしれない!」 愛護センター職員さんの言葉に 私は賛同できませんでした。 「腫瘍?衰弱したから? 多分、捨てられたはず! 新しい首輪も、止血のタオルも、 最後の罪ほろぼしだったのでは?」 そんな気持ちしか持てませんでした。 卑屈な考えしか持てなかった自分に 恥ずかしくなりました。 情けなくなりました。 私と同様、愛護センター職員さんも、 これまで多くの無責任な 飼主を見てきたであろうはずなのに、 どうして、人を信じられたんだろう。 どうして、最後まで諦めてなかったんだろう。 私は、人として大事な部分を 失ってしまったのかな… 心から反省しなければいけない。 そして… 自分が変わってしまうのでは…? そんな危機感を抱き始めました。 レスキューした子達、 今、レスキューを待ってる子達を、 私たちと共に、 守っていただけないでしょうか…。 ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年09月06日 00時14分52秒
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