Pastime Paradise

　昨年末、バイト先の古本屋さんに西森博之さんの「お茶にごす。」全11巻が入った。全巻初版帯付で（ほぼ）新品状態。すぐにでも購入したかったが、そこはやはりお客様が優先でございます（＾＾）　暫く待ってみても売れそうな気配がなかったので、店頭に並んでいた全巻セットを年末最終日に有難く購入。
それから我家の本棚で寝かせること更に2週間、昨日一気に全巻読んだ。
　西森さんの描く作品は何れもキャラクターが魅力に溢れ、ギャグも軽妙で、独特の世界がある。今回も、優しさを追求する主人公・悪魔（デビル）まークン達の魅力と、まークン＆姉崎部長の恋の行方にどっぷり惹きこまれた。
　「天使な小生意気」の主人公・源造と恵の恋の話もだが、西森作品の胸がきゅ～んとなるような淡～い恋愛感には好感が持てる。「お茶」のラストでの姉崎部長の笑顔には、42歳にしてちょっぴりうるッときてしまった。

　“老若男女が少年漫画に夢中になる国って、どうなんだろう？
　確かに漫画はすぐ読めて面白いし、感動することもときにはあるけど、思慮分別のあるいい大人が夢中になって読むものではないと思う。自宅で読むならまだしも、人前で堂々と少年漫画を読んでいる大の大人をたまに見かけるが、恥ずかしくはないのだろうか？当人は若いつもりなのかもしれないが傍から見ればバカみたいだ、所かまわず常に携帯電話をいじっている人と同じで。”
（当へっぽこブログ2011.07.18付「ONE PIECE」より）
　天を仰いで唾するとでも言おうか、いやちょっと違うか、まぁ何というかその…申し訳ありませんでした～ッ！m(_ _)m
　散々貶しておきながら自分が夢中になってるってどーよ!? ホンマええ加減なヤツですみません。
この場でお詫びして訂正させてほしい。「但し、ごく稀に良質な漫画もある」と。

　自分はずっと恋愛モノは苦手だと思っていた。
　でもどうやらそれはドロドロ、ネチネチしていそうな大人の濃厚な恋愛話（読んだことは無いけどハーレクイン系や小池真理子、林真理子等のマリコ系など）がダメなだけで、プラトニックで直向な、男性側からの淡い恋物語は結構好きだったりして ﾉ(´д｀*) …小学生低学年並みの恋愛耐久力っす。
　女性が主人公だとどうしても恋愛が何よりも優先されてしまうが、男性の場合は色恋のためにもまず自分がなさねばならぬことを果たすというか。男性の方が純粋で直向だと思うのは、私が女だから単に願望かもしれないけど（＾＾；　分からないものの方が惹かれるよね。

　まークンが読んでいる漫画に「今日から俺は!!」の三橋くん＆伊藤ちゃんのその後がちょこっと描かれていたり、座禅の説明で谷川くんも登場していたり、扉絵でまークンが着ている浴衣の柄が「天こな」で源造や藤木くん達が着ていたのと同じ柄だったり…と、西森作品ならではのお楽しみもあって、読み終えて非常に心が和んだ。嗚呼、茶杓一すくいの幸せ…