カテゴリ:The B-52's
Ricky Wilson (March 19, 1953 – October 12, 1985)
The B-52'sの設立メンバーであり、独特な変則チューニングで初期B'sサウンドを支えていた愛すべきギタリスト、リッキー・ウィルソン(Ricky Wilson)の足跡を辿り続けて20回。 リッキーに関する記述は今回がいよいよ最後である。 1996年9月21日、10年近くの計画立案及び1,600万ドルもの資金を掛けたGeorgia Music Hall of Fame(ジョージア音楽の殿堂)のグランド・オープニング・セレモニーがメイコンで開催され、多数のジョージア音楽関係者-ロックの創始者であるリトル・リチャード(Little Richard。メイコン出身)を始め、R&BのThe Pips(ザ・ピップス。アトランタ出身)、カントリーのトラヴィス・トリット(Travis Tritt。マリエッタ出身)、B'sと同じアセンズ出身であるR.E.M.のマイク・ミルズ(Mike Mills)とビル・ベリー(Bill Berry)等が出席した。 キースとケイトも姿を見せ、カツラやギター、ステージ衣装といった私物を提供した。フレッドはスーツを、そしてシンディも「Whammy!」のジャケットで身に付けた衣装と、バンドのツアー時の専門技術者が正確に弦を張り替えた、リッキーのダブルネックのモズライト・ギターを提供。このお祭りイベントに出席した多くの人々は、ゴスペルからパンク、カントリーにラップまでのジョージアの音楽に関する全てのジャンルの陳列品を見て回った。 Ricky's double-necked Mosrite guitar 2000年夏、バンドはGeorgia Music Hall of Fameの殿堂入りノミネートの知らせを受けた。 9月16日に行われた式典で、B'sは同じアセンズ出身のR.E.M.や、アトランタのゴスペル・カルテッドであるThe Sunshine Boysらを抑え、見事殿堂入りに選出された。“Love Shack”、“Roam”、“Rock Lobster”のパフォーマンス後の授賞式で、シンディは賞を彼女の亡き兄・リッキーに捧げた。 また03年にはシンディ自身のバンド、The Cindy Wilson Bandを結成し、タイトルもそのものズバリの“Ricky”という曲を作っている。 Ricky - Cindy Wilson シンディが家庭を優先させるために一時脱退し、B'sがトリオで活動していた92年6月にリリースされたアルバム「Good Stuff(グッド・スタッフ)」に収録されている“Dreamland”という曲について、キースがこのように解説している。 「ある意味、これは向こう側(天国)に行ってしまった人に対してのラブソングさ。君は再び連絡を取りたいと願ってて、おそらくドリームランドではそれが可能なんだよ。リッキーがボクの夢の中に現れてね、それが何だかとても快かったんだ」 後年、シンディがインタビューでこう語っている。 「リッキーは最初(バンド結成時)からB-52'sで最も強い要素の一つ(one of the strongest elements)だった。彼には確かなヴィジョンがあったわ」 果たしてリッキーにはどのような展望があったのだろうか? そして別のインタビューでは、B-52'sサウンドを特徴づけていたリッキーのギターに関し、このようなことも明かしている。 「リッキーはまだ、私達の心と精神の中で一緒にいるの。彼は創作者だった。ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)に影響されて、オープン・チューニングを多用して演奏したわ。それとキャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)のユニークさも持っていた。リッキーはとても衝撃的だった。リッキーはギター・パートを念入りに作らなかったの。だからあまりメモする必要もなかったみたい」 おおッ!ということは「リッキー物語 その9」でリッキーが言ったとされる、あの無茶な話は割と真実に近いってこと!? リッキー亡き後、世界的な大ヒットを記録したアルバム「コズミック・シング(Cosmic Thing)」のツアーでは… 「ひどく成功していたけど、厳しかったわ。リッキーのいない初めてのツアーで、私はそれに対処しなければならなかった。私の後ろを見ても兄がいないことが怖かったの。彼はいつも信頼感を与えてくれていた。彼がそこにいないと私は勇気が出なくて…悲しくなったわ」。 シンディは本当にお兄ちゃんが好きだったんだと思う。でもってリッキーもそんなお兄ちゃんっ子だった妹が、可愛くて仕方がなかったんじゃないかしらん(^^) ここで唐突にお勧めのYouTube動画を2本御紹介したい。 1本目はリッキーの貴重な写真が数多く見られるこの作品をどうぞ。 In memory of Ricky Helton Wilson 続いてはこれまた貴重な、若き日のホームビデオ映像(リッキーの寝顔がめちゃめちゃ可愛い)等、動くリッキーがたっぷり見られるこの作品をどうぞ♪ B-52's Return to Dreamland - Remembering Ricky Wilson 映像といえば、87年に発売された「Athens, GA: Inside/Out」という、80年代のジョージア州アセンズにおけるミュージックシーンのドキュメンタリー・フィルムがある。一応B'sの古い映像も入ってはいるのだが、リッキー目当てで購入した私には正直なところ全くの期待はずれであった。 まぁそれでもリッキーファン、B-52'sファンを極めたいという方はどうぞ。 Athens, GA: Inside/Out (リンク先はAmazon.JPです) リッキーの物語はこれにておしまい。次回は参考にさせていただいた本やサイトを御紹介します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.11.06 01:20:13
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