テーマ:京都。(6067)
カテゴリ:おたべやす 京都 和菓子編
鶴游会(かくゆうかい) 於 鶴屋吉信 2007/6/9
年に四回、3月、6月、9月、11月の第二土曜日に、鶴屋吉信が本店二階で催している文化活動。 (詳しくはここ) 陽明文庫から、今回は、刀剣の展示。 刀剣の他にも、近衛家の誰かの肖像とその人の歌の軸があった。 肖像は衣冠束帯で、その太刀の柄と今回の展示の拵え(梨地雲龍紋螺鈿蒔絵)の柄が同じものに見えた。 その人は楽器に秀でていて、肖像に、笙や琴などの楽器も描かれていたが、このあたりは、何となく、カトリックの聖人像に共通するようで面白かった(聖人像はその人が誰かを示すためにいろいろな物を持っている)。 刀剣ということで、短刀、なにより刀身もあるかな、どうかな、と思っていたけど、拵えだけだった。 拵えより刀身の方が見たかったけど、会場の様子などからしたら、それはちょっと難しそう。 太刀は四口。 *** さて、お菓子。 もちろん、こちらも(こちらが)、楽しみ。鶴游会のために、創作された七品。 この中から一品を自由に選ぶことが出来る。 ただし、会場の照明が暗めだったのと、結構次々に人が来てゆっくり撮影できなかったのと、デジカメの性能がもう一つなので、うまく写真に撮れなかった。 草蛍(くさぼたる) きんとん・粒餡 みずみずしい緑に小豆のホタルが二匹。金粉が蛍の光。 さみだれ 焼皮・漉餡 一部緑ぼかしのはいった焼皮に砂糖の雨の筋。 木槿(むくげ) ういろう・白餡 木槿の花。 唐撫子(からなでしこ) 葛・漉餡 漉餡を葛でつつみ、焼皮がのせてある。焼皮には砂糖で、唐撫子(石竹)。 刀匠(とうしょう) 焼皮・粒餡 展示の刀剣にちなんで。 虹の花(にじのはな) 葛・緑餡 白餡を緑色に染めた緑餡を葛で包み、あじさいの花の形の焼皮をのせる。 奥さん食 焼皮から餡が透けて見えるところがなかなか素敵に見えたので、選んだ。 水佳人(みずかじん) 焼皮・漉し餡 焼皮に睡蓮の花。 だんなん食 ぱっと見て、目をひいた。実は、こなしを期待していたが、なかったので少し残念。(虹の花・水佳人については別のところで)。 人気があったのは、草蛍、唐撫子、水佳人。 午後の二回目の茶席(うちは、午後の一回目だった)の時には売り切れ。 *** 茶席、といっても堅苦しいものではない。 点前なしで、「待合い」で食べたい人は食べることが出来るが、どうせなので、茶席で食べることに。 待っている時、柚餅二個と玉露、また、そのあと麦茶が出た。 床の向かいが中庭。 水差しは、浅黄(あさぎ)色の交趾(こうち)焼きに荒磯(ありそ)。この荒磯、伝統的な模様なんだけど、この水差しに限ったことではなく、いつ見ても、魚がおぼれているように見える。また、荒磯、というのに、どうも魚にはヒゲもあって、みるからに鯉。それとも、淡水魚の鯉なので荒磯ではおぼれるってことなのかな? 鯉が溺れるほどの荒い磯、ってこと? 軸、「清風在竹林」。の「竹林」の書体が面白かった。表装も良かった。一文字が雲間の山のようで、中廻しが七宝。 茶碗。数茶碗の、道八の笹茶碗が面白かった。緑釉が。 かなり賑やかだった。 天気も雨だったし、天気に関係なく、そんなに人はいないだろうと思っていたけど、「待合い」とかもあわせて、ほぼ満席のような状態だった。ただ、年輩の客が多かった。 *** 会費は、一人2000円。 おみやげつき。 おみやげは、今回は、一人「笹の露」五個。 ただ、夫婦で同じおみやげもなんなので、というので、「笹の露」五個(1000円)相当分のものをどうぞ、ということで、ラッキー、とばかり、上生菓子を三個(差額分をキャッシュで)。 この中の、きんとんと最前列のこなしは、このあと立ち寄った俵屋吉富で。 鶴屋吉信のおみやげは、左上から「鉄仙」、「夕蛍」、その下の、「すがすがし」。 (これら五品の上生菓子については、また、いつか) *** 2000円で、上生菓子とお茶、茶道具・美術品鑑賞、おみやげ、というのはなかなか良かった。 普段デパ地下で買っているのであまり意識していなかったが、鶴屋さんの店員さんはとても感じが良かった。特に、おみやげについて、「お二人同じものもなんですので」と先方から言ってくれたことなど、とても気が利くと感じた。 物腰も柔らかく、丁寧、だけど、堅苦しいとか、慇懃とかいうこともなく、こちらの質問にいろいろと骨を折ってくれたことも、いい感じ。 茶席の半東も、若いのに、客の質問にさらりと答えていて、ちょっと感心。 ただ、客の捌き方が、もうひとつしっくりしないところも。もっとも、客といっても色々だから(茶席でのマナーなどについて)、そこが難しいところだろうけど。 と、細かいことはいいとして、次回も楽しみ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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