テーマ:★お菓子★(2733)
カテゴリ:おたべやす 京都 和菓子編
一目見てわかるように、枇杷の果実をかたどった上生。 しかし、その銘「青園」とはなんぞや? まず、あんまりたいしたことない僕の古典や漢詩の知識ではとうてい及びがたそう。 ネットでも、それらしいものはヒットしない。 で、店員さんに聞いてみることに。 京都の高島屋と大丸、それぞれの店員さんに聞いてみたけど、答えは同じ。 古典や漢詩などからの引用でもなく、なにか特別な本歌があるわけでもなく、 「これは、枇杷の実なんですけど、枇杷の畑、枇杷園のみどりをあらわしています」と(多少、言葉は違ってます)。 なんとも、独創的、と思うのは僕だけ? たしかに、枇杷の実をかたどった上生は珍しくない。そして、銘も素直に「枇杷」とか。 それに対して、この「青園」は独創的な銘を与えることで見違えるような面白さを持っている。商売的に言えば、他店の「枇杷の実」をかたどった上生よりも、断然、輝いている。 それにしても、この独創的な銘、本歌があったり、なにかの引用などではない、というところも、とてもいい。 ここからは僕の勝手な想像だけど、この「青園」とはこの上生を考えた菓匠さんの生活や思い出に由来するのかな、と。 彼にとっては、初夏のみずみずしさ、すがすがしさを感じさせるものが、青く茂る枇杷畑だった。 今でも近所にあるのか、子供の頃の思い出か。 あるいは、その枇杷畑で実際の収穫に携わったのか。 もぎとられた新鮮な果実と、その緑一面の畑。 そして、枇杷の実をかたどった上生とその枇杷畑の思い出が「青園」として結びつく・・・。 種は、白漉餡。ややゆるめの餡。 ういろうは、とろんとしていて、のびがある。言うまでもなく、ゆるめの餡と調和。 食べていると、これを作り出した菓匠さんの思い出の「青園」が脳裏に浮かんでくるよう。 ほんとに、独創的で、しかも考案した人の追憶が感じられるような、素晴らしい上生。 (追憶、云々は、あくまでも、僕の勝手な想像^^) そういえば、きんとんの紅花 も同じように独創的だと思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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