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上生的幻想

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2010/04/13
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テーマ:★お菓子★(2818)
 
 IMG_6954.jpg
 
 茶巾絞り(宝珠型)のこなし。
 「舞」という銘は、今の時節ならば、たぶん、都踊りを意識してだろう。
 舞い、ひるがえる芸子さんの振り袖が、羽根のような形の緑、ピンク、水色で表されている。
 
 これは、能の舞にも見える。
 長絹や舞衣のひるがえる袖だ。
 
 この上生を見て連想したのは、『邯鄲(かんたん)』の一節。
 夢の中で楚の帝となった絶頂の盧生(ろせい)が、舞を舞うところだ。
 
   なほ幾久し有明の月 月人男の舞なれば
   雲の羽袖を重ねつつ 喜びの歌を 謡ふ 夜もすがら 謡ふ 夜もすがら
   日は又出でて 明らけくなりて
   夜かと思へば昼になり 昼かと思へば 月またさやけし
   春の花咲けば 紅葉も色濃く 
   夏かと思へば 雪も降りて
   四季折々は目の前にて 春夏秋冬 万木千草も一日に花咲けり・・・
   
 と、なんというか、脳のシナプスがショートしてる状態?
 現実の世界ではあり得ない、高揚感・・・
 
 なにかそんな舞をも想わせる上生。
 
 
 種は、黒漉餡。癖がなく、あっさり。
 食べた後、口の中にほのかに残る澄んだ甘みは、夢から覚めるとともに人の生を悟った盧生の、あの絶頂の舞の余韻のようだった。  





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Last updated  2010/04/13 10:34:29 PM
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