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2007.07.27
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カテゴリ:クモ


 今日は、蜘蛛の話である。

 「何時ものベランダの椅子」の目の前、僅か1mもない所にキショウブが生えており、其処に春先から雌のササグモが棲み着いている。我が家のカナヘビ君(昔から居る個体)が何時も日向ぼっこしている所から目と鼻の先なのだが、食べられることもなく、今まで無事共存している。


ササグモ(雌)1
ササグモの雌.後中眼で上方を見ている(2007/07/09)



 ササグモは何時も葉の上で獲物を待っている。かなり敏感で、人が近づくとサッと葉裏に逃げ込み、時にハエトリグモの様に跳躍して逃げる。

 しかし、跳躍はしても、良く見てみると、脚が細く長く、長い刺毛が生えていて、ハエトリグモとは随分形を異にする。

ササグモ(雌)2
やや前方から見たササグモの雌.眼が4対8個あるのが分かる(2007/07/16)



 眼は8個でほぼ環状に配列する。背側から見ると後中眼しか見えないので、眼が1対しかないように見えるが、正面からみるとチャンと4対8個あることが分かる。何だか、眼が沢山あって変な顔!!


 其処へある日、雄のササグモが1匹やって来た。雌よりも脚が長く、胴体は逆にずっと小さい。


ササグモ(雄)1
ササグモの雄.雌より細長い(2007/07/16)



 クモは昆虫と同じ節足動物門に属すが、昆虫とは異なり交尾はしない。代わりに、イカ・タコ、エビ・カニの様に交接をする。しかし、クモは、エビ・カニやイカ・タコとは異なり、交接に際し精包を渡すのではない。

 雄のクモは、成体になると、第1歩脚の前方にある蝕肢の形が変化し、先端がスポイトの様な移精器官に変わる。

 交接の前に雄は一寸した準備をしなければならない。まず、精網と言う特殊な網を張り、その上に精液を出してから、蝕肢の先にある移精器官で精液を吸い取り、そこに溜めるのである。

 その後、雄は山野?を放浪しながら雌を探す。雌を見付けるとこれに接近を試み、旨く近づくことが出来て交接体勢に入れれば、移精器官を雌の生殖口に差し入れて精液を注入する。

 種類に拠っては、この時、雌に食べられてしまう雄もある。

ササグモ(雄)2
求愛中の雄.移精器官を雌に示すように前に突き出す(2007/07/16)



 ところで、読者諸氏は蜘蛛の生殖口が何処にあるか御存知だろうか。昆虫の様にお尻の先端に開口するのではない。雌雄共に腹部の中央よりやや前方の腹側に開口する。

 因みに、エビの生殖口は頭胸部(大きな殻に囲まれている部分)の第3歩脚(雌)、或いは、第5歩脚(雄)の基部に開口する。一寸意外かもしれないが、尾部(主に食べる部分)には筋肉の他に腸管と神経しかないのだから、当然と言えば当然である。考えてみると、胴体の末端近くに生殖口がある生き物は余り多くない。

ササグモの求愛1
お見合いを始めたササグモの雄と雌(その1).まだお互いに

警戒して離れている(2007/07/16)



 雌の交接に際し使用されるのは交接口であるが、単性域類と呼ばれる原始的なクモでは産卵口と交接口は同一、より高等な完性域類では別々になっている。ササグモは完性域類に属すので、産卵口と交接口の2つを持っている。

ササグモの求愛2
ササグモの雄と雌(その2).かなり接近(2007/07/16)


ササグモの求愛3
ササグモの雄と雌(その3).雌はこの後余所へ行ってしまい

お見合いは不首尾に終わった(2007/07/16)



 雄グモは、ほぼ1週間に亘り雌の近くに留まっていた。丁度梅雨の降りしきる最中で良く観察できなかったが、果たして首尾良く務めを終えたであろうか?


 天気が良くなってからも、少し離れた所で、この雄グモを時々見かけた。しかし、3日も経った頃には、もう何処かへ行ってしまったのか、居なくなってしまった。

 雄グモは雌グモとは異なり、何度か交接を行った後はもう何もすることがない。ただ死ぬだけである。自然の摂理とはいえ、やはり何とも空しい感じがする。







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最終更新日  2007.07.27 13:31:43
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