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カテゴリ:福島・宮城の地元ネタ
今日のテーマソング:高樹澪「ダンスはうまく踊れない」
伊達郡内の他の町で合併がどうのこうのやってますが、その話の輪から離脱してしまった桑折町では、合併の話なんて完全によそ事になっちゃってます。「やっぱり合併すべし!」という声が少し位町民の間から起こっても良さそうなのに、何故でしょう? その理由のひとつは、桑折町の財政事情が他の郡内の町村に比べて良好だという点にありそうです。私は地方財政については完全にド素人だし、これを読んでる方にとっても同様だと思うけど、一応参考資料を挙げると、これ。市町村の財政的基礎体力を示す財政力指数って自治体の人口に比例する傾向がある(そりゃそうだ、人口が多い方が税収だってあるんだから)んですが、桑折町は人口が約2倍の保原町とほぼ同じ。この点では人口規模が桑折町とほぼ同程度の伊達町も高い数値を示していますがここは公債費(町の借金)の残高が桑折町の倍近くあるので、やはり桑折町の財政って他の町に比べると安定しているんです。 しかし、このグラフを見ると、改めて、市町村合併の必要性を感じてしまいますね。小規模自治体で過疎地域にも指定されている霊山町や月舘町はすぐにでも合併が必要なんじゃないかと思うし、人口が2万人を超えている梁川町も、意外に厳しい財政状況。 梁川町の財政が厳しいのは、1988年の阿武隈急行開業に関連していろんな施設を造り過ぎちゃったのも、一因なんでしょうか? あの立派な町役場をはじめ、町内のふたつの駅舎、駅周辺の市街地再開発、やながわ希望の森公園に、そこまで至るSL列車… 鉄道の開業を機に町を一新しようと頑張ったんでしょうが、その結果が突出した公債費の残高であるならば、ハコモノはまさに諸刃の剣と言えるでしょう。その意味では、新しい町役場が完成した保原町も、現在の財政状況はここで挙げた状況よりももっと悪くなっている可能性がありますね。 それはともかく、桑折町の財政が比較的良好な理由は、実はハコモノ建設に消極的な一面があったからという点があります。町役場なんて伊達郡内で一番ボロいし(苦笑) ところがここにきて、町内では妙な議論が。JR桑折駅近くに6万平方メートルを超える工場の跡地があるんですが、これを町で取得するかどうかで、議会や住民がケンケンガクガクの状態なんです。 ちなみに、町の考えとしては取得推進。跡地は宅地や公園、道の駅(国道4号線にも近いので)などに整備するとのことです。財源については6億円近くかかりますが、一般財源や宅地売却益などで賄うこととしています。 これに対して、過半数の町議が、反対の意思を示しています。財政維持が厳しい単独町制継続を選択したからということもあるんでしょうが、何とこの土地に大手流通業者が関心を示しているらしく、どうせだったら大規模なショッピングセンターを誘置してしまおうというのです。仮に誘置が成功すれば、町にとっては建設に伴う損益はありませんが、将来的には売上に伴う町民税、あと建造物などに伴う固定資産税が見込まれます。 どっちがいいんだろう? 問題の土地の目と鼻の先に住んでいることもあり、ちょっと悩みます。 損得勘定でいけばショッピングセンターの建設は確かに魅力的なんですが、実行に移すと地元の商圏が完全に破壊されるという懸念があります。桑折町内の商店街はもちろんのこと、最悪の場合伊達町や梁川町のヨークベニマルあたりも閉店に追い込まれるでしょう。結果として町の財政が潤うのはメリットでしょうが、自分の町はともかく他の町を犠牲にしてまで生き延びたくはないなぁ… 個人的には。あと、流通業者だって、商売でやってる訳ですからね。ダメだったら撤退する可能性だってあるし、そうなったら桑折町にとってド最悪の状況になりかねませんしね。 宅地開発案もまた、出費を売却益で賄う点については、ちょっと疑問があります。行政による事業の計画の甘さってよく指摘されているし、果たして額面通りに事が運ぶかなぁ? 幸い桑折町は福島市への通勤には便利なトコだけど正直言って福島市自体に都市としての魅力が失せつつあるし、しかも今後予定される増税で個人消費も底冷え含みとなりゃ、造成したところで住宅が張り付いてくれるのか、また住んだところで定住してくれるのか、という不安は、どうしても残ります。 工場跡地を廃墟のままにしておく訳にもいかないし、実は工場の従業員の退職金が未払いのままなので、近々これらのどちらかを選択しなければならない訳ですが、できるだけ桑折町の財政や多くの人々にとってより良い選択になってくれることを、願わずにはいられません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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