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テーマ:たわごと(25916)
カテゴリ:decade(s)企画
前回に引き続き、今回も「郡山圏」と「宇都宮圏」との対比です。舞台は会津地方から中通りに戻り、東北本線(宇都宮線)の上り方面です。
路線が東北本線一本なので「郡山圏」と「宇都宮圏」との中間点は、明確に出ます。県境を越えて栃木県那須町の南端、黒磯駅の一駅北にある高久駅の北方800メートルの地点が距離上の中間点であり、高久駅からの片道運賃は郡山、宇都宮両駅とも950円となります。また、高久駅は「福島圏」と「宇都宮圏」との対比で「福島圏」の南限であった久田野駅から25.6キロ南に位置しており、その点でも中間点に相応しいロケーションと言えます。 そこで、高久駅のデータを調べてみると、 【対郡山駅】 運行本数 上下35本 平均所要時間 59分 片道運賃 950円 【対宇都宮駅】 運行本数 上下36本 平均所要時間 1時間04分 片道運賃 950円 と、運行本数や平均所要時間もまたほぼ拮抗していることがわかります。距離的には若干優勢になるはずの宇都宮駅方面の平均所要時間が郡山駅方面よりも長くかかってますが、この背景には、すべての普通列車が黒磯駅で乗り換えることになるため、その過程で数分から十数分のロスが発生するダイヤ上の事情があります。 で、指標はというと、 【対郡山駅】 運行本数 - 1.4ポイント 平均所要時間 + 4.1ポイント 片道運賃 ± 0.0ポイント 計 + 2.7ポイント 【対宇都宮駅】 運行本数 + 1.4ポイント 平均所要時間 - 4.1ポイント 片道運賃 ± 0.0ポイント 計 - 2.7ポイント と、平均所要時間の分だけ郡山駅優勢の結果となります。なお、黒磯駅はというと、運行本数、平均所要時間、片道運賃のいずれも宇都宮駅優勢となるため、コテコテの「宇都宮圏」。従って、「東北本線」と「宇都宮線」との呼称上の境界でもある黒磯駅は、「郡山圏」と「宇都宮圏」との境界でもあるということになります。 この結果から、人口約26,000人の那須町全体が「郡山圏」に入ると思いきや、さにあらず。那須町…というか、栃木県北部を代表する観光地でもある那須高原は、黒磯駅から那須高原の観光拠点である那須湯本温泉まで東野交通の路線バスが一日上下32本発着していることもあり、「宇都宮圏」に含まれてしまいます。那須湯本温泉へは高久駅から一駅北、那須町の中心地でもある黒田原駅からも那須町民バスが発着していますが一日わずか上下6本にとどまっており、情勢を覆すまでには至りません。 余談ですが、那須町の南東部、国道294号線沿道の伊王野地区も、黒磯、黒田原両駅から路線バスが発着している地域。那須湯本温泉とは逆に黒磯駅から那須町民バス、黒田原駅から東野交通のバスが発着している点に微妙なややこしさを感じますが、前者が一日上下6本なのに対し後者は上下8本のため、伊王野についてはギリギリ「郡山圏」に含まれると言っていいでしょう。 従って、那須町内で「郡山圏」に含まれるのは、路線バスの沿道、具体的に言うと、高久、田代、那須、室野井の各小学校の学区を除く地域ということになります。人口は、約18,000人。 なお、「福島圏」との比較で「宇都宮圏」に含まれた白河市の大半および西郷村の全域(人口約72,000人)は、すべて「郡山圏」となります。従って、福島駅から郡山駅に基点を変えることによって「郡山圏」に含まれることになる地域の人口は、福島県内外をあわせて約90,000人。また、那須町で獲得した約18,000人の人口は会津地方南部で「宇都宮圏」に奪われた人口(約16,000人)を上回るので、栃木県との関係は「入超」に転じることになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.22 19:44:53
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