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むかしのこと

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2010.03.16
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カテゴリ:漫画の感想など

作者:吉田秋生
出版社:小学館
発行年月: 2004年01月
ISBNコード: 9784091380333

***ネタバレです***

***ご注意ください***


各話の終わりに『夜叉』からのルー・メイやケンのカットがいくつかあって懐かしい
残酷な話だったから、もう続編はいいよ~と思ったけど、
『ドラゴンボール』の「セルより強い敵っているの?!」みたいな貪欲さは
わかる気がする。完璧な死鬼と、人間との混血アリサの戦い。
こういう世界では目に見えないものの力が働いて完璧なものに打ち勝つ
というのが筋なのだろうが、この人の漫画でそんな単純な結末は見たくないような…
読もうか、どうしようか、迷っていた作品。

「イヴの眠り」
ハワイ。シン・スウ・リンの息子リエは、静の作ったシステムに侵入された件で
クロサキを訪ねる。クロサキは不在で妻のルー・メイが代わりに話を聞く。
リエはアリサに会う。アリサ自身は知らないが彼女の父はクロサキではなく静。
弟のシンジはクロサキとルー・メイの子。リエの目的は、彼女を不審な動きから守ること。

アリサは妖精がリエが来るのを教えてくれたと言い、リエも妖精を見る。
アリサはリエを月の女神の祭りに招く。

一方、自宅にはシン・スウ・リンが来て、クロサキらに静そっくりの男の写真を見せる。
彼がハッカーで、静のクローンではないかと。静は彼を殺すつもりだという。
「死鬼(スーグイ)」と呼ばれる彼は、闇組織「赤蠍(チーシェ)」と行動を共にしている。
そのころ
祭りで踊るアリサの前に、彼が姿を見せていた…

「魂送り」
奥神島。凛として生きていくことにした静は、ルー・メイに男子禁制の聖地で、母・比佐子の残したスミスの日記を探してもらい燃やす。姿を消したルー・メイのお腹の子は自分の子ではないかも知れない、とシェンから聞いたクロサキは彼女を追いかけるため、静と別れを告げる。
「ハウメアの娘」
カンボジア。静の護送任務を終えたケン・クロサキは新たな任務へ。そこでルー・メイに会う。ライアン博士の要請を受け、静の元へ。メイヨーと任務に当たる。

最後に人物相関図がついています。

性的な暴力は、この作者の多くの作品のテーマとなっていたり
テーマとまでいかなくても、ひとつの現実として存在感を放っています。
クロサキの妹は義理父の性的虐待を受け、母がそれを見て見ぬふりしていた、
そこに、レイプされたこともあるが逆にそれを利用して生き抜いてきた、だからと言ってそれが平気なわけではない!男には力を示しておくのがてっとりばやい…と言い放つ女が現れる。それがルー・メイ。
「暴力は常に受けた側ではなく ふるう側の問題なのだ」
時々ゆらぐけど、私もそう思っている。
ゆらぐのは男の性欲がどういうものなのか知らないので、
時々「そのかっこはないやろ」と鼻息を荒くしたくなるような女を見かけるが
自分が男だったら、こういうとき、ひょっとしてほんとに鼻息が荒くなって暴行に及ぶのでは
と思うからだ。
本当に男は私が鼻息を止めたように簡単に止めることができるのであろうか?
ものすごい努力をして止めなければならないのではないだろうか?
と思うからである。ほんとに不思議。男の性欲体験マシンとかないのかしら。ないだろうけど。あっても一般人は利用できないだろうけど。それが体験できれば、人間はもっと思いやりあえるのでは。この漫画はそういう漫画ではないのですが。
「親とはいったい――なんなのでしょうね」
妹の話をしたときの静の答えがクロサキに優しい。

***

文庫本も出ています。単行本が全五巻、文庫本が全三巻です。

  

文庫本の表紙が好きです。白はいたみが目立ちますね。
後の二本は番外編として三巻に入っているようです。





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最終更新日  2010.09.30 10:55:24



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