むかしのこと

著者：松本美緒
発行年月： 2005年04月
ISBNコード： 9784063405408

『優雅で野蛮な女たち』の一巻と同じ時期に発売したようです。

＊＊＊ネタバレです＊＊＊

＊＊＊ご注意ください＊＊＊

「２７歳、ナオの決断」
何と重いタイトル！
保育士のナオは、すっかり馴れ合った恋人がいたが、女手ひとつで育ててくれた母を安心させるためにも、そろそろ結婚したい。
そこで、お見合いをしてみると、一緒に生きて行けそうな男性と出会えたのだが、何と彼が海外赴任することになり、母一人をおいてはいけないナオはいったん断る。

作者によるライナーノーツが二ページもついているこの作品！
仕事を辞めることを繰り返す恋人とではなく、
新しい結婚相手を探すナオに、同僚が
そいつだって　こんだけつきあってて　結婚も言い出さずずるずるしてんだから
誠実さ足りないよね　２７の女に対して
と言う。
園に来るお母さんがたは「結婚なんてしなくていいってー」

母が倒れたときナオは見合い相手を頼り、
やはりこの人となら…と決断し、海外についていくため仕事を辞める。

出会ったばかりの人のため、仕事も辞め海外に行くとは…！
ちょっと軽はずみなのでは！と思ってしまうが、きっとこれは
作者の確信なのだろう。

＊

プラチナの朝
別冊フレンド系で描いた最後の作品だそうです。
友達の彼氏がちょっと気になってしまう話。
これにも一ページメッセージが。
私の漫画では、親友の彼氏とは一緒になれない。
この言葉には感動だ～！そういうポリシーは好きです。

＊

ラビアンローズ
ホストの話でした。
軽い男だと思っていたけどほれた女だけには真剣！という
ありがちなこの話も、
この作者にかかれば、思いは通じても恋は実らず…
その母の決意にホロリとくる。現実には父がいた方がいい場合もあるでしょうが…
この人の話はここがいいと思う。

お茶がうまいね、っていう言葉に反応できるようになる会社員が
漫画家デビューするのも　いかにも　なんだけど
ホストの恋が両思いなのに実らないというエピソードの後だから
よかった。