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2010.01.21
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カテゴリ:交通
経営効率化の一環として日本航空(JAL)が計画する国内不採算路線からの撤退は、少子化で利用者減に歯止めをかけたいJR各社にとって追い風となりそうだ

JR東日本、JR東海、JR西日本のJR本州3社は車両や駅施設の改良などにより利便性を向上させさらなる顧客獲得を狙う。
ただ、高速道路の料金引き下げなどで顧客争奪が価格競争に波及する可能性は否定できず、そのまま収益に貢献できるかは未知数だ。

JALは再建策として国内の不採算12路線を廃止する見通しだが、機材の関係や採算性の問題もあって、廃止路線が全日本空輸(ANA)など競合会社にそのまま引き継がれるわけではなく、路線によっては利用者の利便性が低下する。
日本総研の主席研究員、岡田孝氏はJALの不採算路線撤退はスピード面で進化する鉄道に恩恵があるとの見方を示す。

JR東日本は今年12月、東北新幹線を新青森まで延ばす。
新幹線「はやて」を当初は時速275キロで運転するが、徐々に320キロまでスピードアップし、将来的には東京から3時間あまりで接続する。
東京―秋田間は、秋田新幹線「こまち」だと最短でも約4時間かかるが、航空とのシェア(2008年度)は新幹線58%、航空42%と所要時間の短い航空の方が分が悪い。

JALは昨年11月、国内8路線の運休を発表した。
このなかには羽田―神戸線(1日2便)も含まれる。
JR東海によると、現在は金曜夕方のピーク時に東京―新大阪間で「のぞみ」を1時間に最大9本を運行している。
所要時間は2時間25分。現在新大阪駅を改良工事中で、3年後には「のぞみ」をさらに1本増発、計10本を運行できる態勢になるという。

また、JR西日本は山陽新幹線の新大阪―博多間を最速で時速300キロ運転を目指し、時間の短縮を目指している。
東京を起点とした場合、岡山以遠は航空利用の領域とされているが、鉄道のスピードアップによってこの地図が塗り替えられる可能性もある。

JR旅客各社にとって、少子化は最大の懸念材料だ。
JR東日本は1000円に値下げした高速道路に対抗しようと年末年始に一部で大幅値下げを実施したが、利用者数は前年に比べて7%減少した。
JALの一部国内路線からの撤退計画について、鉄道関係者は「ビジネスチャンスというよりは、少子化を補てんするぐらいにはなるという意味で追い風」と指摘する。

一方で、日本総研の岡田氏は、JALはプライスリーダーというよりコストリーダーと位置づけており、今回の会社更生法の適用申請により「ローコスト化の引き金を引いた」と述べ、輸送コストそのものが下がる可能性を指摘する。
外資系証券のアナリストは、高速道路の料金体系を考慮すると、いずれ鉄道にも波及するのではないかとみている。

(ロイターより)
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ここのところ飛行機の地方路線に乗る機会が多いが、確かに人はあまり乗っていないのを痛感する。

それでも地方都市にして見れは、東京や大阪と結ぶ路線は地域経済を守るためには欠かせない。
ビジネスも観光も空港と飛行機に頼っていることは確か。
ローカル路線の撤退は地元にとって切実な問題だ。

それでも次々と地方空港が開港されて路線を維持してきたことを考えれば、JALも犠牲者であるという側面は否定できない。
国鉄の分割民営化もそうだが、地方を切り捨てるようなやり方がいいのかどうか。
民間企業としては仕方がないが、国の立場であればすべてを経済性だけで片づけてしまうのも今一つしっくりこない。

記事にあるように、JR各社にしてみればビジネスチャンス到来となるわけでが、高速道路の値下げや将来の無料化を考えると、このままでは料金の格差が生じてしまうことも否めない。
かと言って料金を下げるやり方では今後の維持管理は難しくなる。

ビジネスモデルそのものが変われば話は別だが、適切な運賃とサービスについて、今一度検討していく機会が必要かもしれない。
これ以上公共交通機関でJALの二の舞を繰り返してはいけない。





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Last updated  2010.01.21 01:02:13
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