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カテゴリ:測量
地図作成などに用いる三角測量の基準となる基線。
座間市ひばりが丘から相模原市南区麻溝台に伸びる直線「相模野基線」がこのほど選奨土木遺産に認定された。12月11日(土)にはサニープレイスで顕彰式が行われる。 座間市によると、相模野基線は、明治15年に国が、ドイツから取り入れた近代測量技術を使って地形図全国整備計画に基づき設置した近代測量の最初の基線。 これは座間入谷村(現・座間市ひばりが丘1丁目)と高座郡下溝村(現・相模原市南区麻溝台4丁目)に設置された、緯度・経度を定める三角点を結んだ南北約5・2キロの直線。 ひばりが丘に南端点(写真)、麻溝台に北端点、中間点(同)は相模が丘2丁目にある。 この基線を三角形の一辺として明治16年から三角測量を開始。 丹沢山や千葉県鹿野山へと三角点を求めていき大正14年には全国5万分の1地形図が完成した。 相模野基線は、近代測量の発展や国の近代化、都市基盤整備などに貢献したことから、今年度の選奨土木遺産に認定された。 土木遺産は(社)土木学会が平成12年度から歴史的土木建造物を認定しているもので県内ではこれまでに猿島要塞(横須賀市)、函嶺洞門(箱根町)など10カ所を認定。 今年度は相模野基線のほか掘割川(横浜市)が選ばれた。 12月11日(土)には、認定顕彰式がサニープレイスで開催。 当日は、国土地理院の川本利一氏を講師に招き「相模野基線と日本近代測量の足跡」と題する記念講演も行われる。主催は(社)県測量設計業協会。 (タウンニュースより) -------------------- 近代測量はここから始まった、といってもいいだろう。 明治15年(1882年)に陸軍参謀本部測量課により下溝村三角点と座間村三角点間が基線として定められ、明治15年9月から10月にかけて測量、基線の長さは5209.9697メートルと算出された。 この基線から三角測量で鳶尾山、長津田の各三角点が定められ、今度はこの両点を結ぶ基線から連光寺村、浅間山の両三角点が決定、さらにこの両点間を基線として丹沢山と鹿野山の位置が決定、そしてこの両点から日本経緯度原点を結ぶことで各点の経緯度が確定した。 そしてここを皮切りに国内の三角点網が整備されてゆく。 土木遺産として取り上げられたことは大きな意義があると思う。 世の中のインフラ整備は測量なしでは成り立たない。 そうしたことを一般の人たちに知ってもらうきっかけになればありがたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.26 01:17:41
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