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2011.04.06
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カテゴリ:災害・防災
東日本大震災の被害を拡大させたのは、言うまでもなく津波です。
新たに入手した映像には、リアス式海岸特有の津波の現実が映っていました。
この映像を見た専門家は、今後、被害を少なくするため、シェルターの開発を進めることを提言しています

3月11日、岩手県宮古市赤前地区の高台に避難していた住民が撮影した映像。
津波は対岸にある町に迫っています。
防潮堤にぶつかった津波は家の高さをはるかに越え、そのまま建物をなぎ倒していきます。
その後、波は赤前地区に迫ってきました。
そして8.5メートルの防潮堤を越え、轟音を響かせながら大量の黒い波が町に流れ込みます。

気象庁では、津波が8.5メートルを越えると観測不能になりますが、東大地震研究所では、「宮古市の田老地区の津波は、37.9メートルまで達していた」と4日に発表しました。

この映像を見た、海岸災害に詳しい東海大学の山本教授は、今回の大津波が「リアス式海岸という地形により、巨大津波になった」と分析しています。

「湾奥に行けば行くほど、波の高さは高くなります。例えばこの湾口を1秒間に通過する水の量があるとすると、その水の量がだんだん幅が狭くなってくる。浅くなってくると、嫌でもここでは高くならないとダメだと」(東海大学・山本吉道教授)

今回撮影された地区は、湾の奥にあります。
津波の力は、湾の入り口で蓄えられたものがそのまま湾の奥にまで行くといいます。
湾の奥は入り口よりも狭いため、津波の高さは自然と高くなるというのです。

国土地理院が発表した津波の到達範囲の地図で、赤い部分が津波の被害があった地域です。
リアス式海岸では、湾の奥にある地域に被害が集中しています。

news4692423_6.jpg

「水圧は大きいですから、物を壊そうという力は強くなる。(スピードは)1秒間に10メートルくらいは移動しているとみえるので、人間の全速力くらいに相当するので、見えてから逃げ出すのでは間に合わない」(東海大学・山本吉道教授)

山本教授によりますと、防潮堤の高さは津波の2倍の高さが必要だといいます。最低でも15メートルの高さが必要ですが、現実的ではないとした上で、山本教授は・・・。

「15メートルのシェルター、津波がきても壊れない、津波を受けても浸水しない、そういうタワーを建てて、そこに皆さんが避難する」

(TBS News iより)
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これまでの想定をはるかに上回る津波を受けて、今後の津波防災をどうしていくのかを考え直さなければならない。

以前にも書いたように、防潮堤などのハード面だけで防ぎきれるものではなく、避難のあり方などソフトの部分を重視することはもちろん必要だ。
より高く逃げることこそが津波への最も有効な対抗手段であることは言うまでもない。

加えて、逃げ切れない場合の最後の砦として、記事にあるようなシェルターの存在は確かに議論されてもいい。
もちろんそこには構造や強度の問題等リスクもあるだろうが、今回の被害をみても、シェルターがあれば難を逃れることが出来たケースもあったかも知れない。
特に高齢化が進む集落で、災害弱者の保護なども考慮すると避難のスピードにも限界がある。

復興に当たって、新たな都市計画や防災計画と合わせて、緊急避難用のシェルターの設置を検討する余地は十分あるように思う。
津波減災の切り札になればいいが。





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Last updated  2011.04.06 00:09:52
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