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カテゴリ:災害・防災
東日本大震災に伴う地盤沈下に苦しむ沿岸の被災地は2日、干満の差が大きくなる大潮の時期を迎え、市街地や漁港が一部で腰の高さまで冠水するなど、各地で浸水の範囲が拡大した。
この日は発達中の低気圧の影響で、被災地周辺では風速20メートルを超える風が吹き荒れ、潮位がさらに高まる恐れも。 自治体は土のうを積むなどの対応に追われた。 満潮の午後3時50分ごろ、宮城県石巻市では沿岸の四つの地域で浸水域が拡大。 住宅街を走る車は、タイヤの半分以上が水に浸ったほか、国道398号も一部で冠水。 海岸沿いの道路は、腰の高さまで水が増え、一帯が通行止めとなった。 同市流留の主婦三浦久美子さん(35)は「どこまで水が来るのか心配で夜も眠れない。道路を高くするなど早く対策を取ってほしい」と困惑顔。 岩手県釜石市の根浜海岸は、海水浴場としてにぎわった砂浜が海面下にほぼ水没。 同県大槌町では、魚市場近くの道路に水があふれ、津波で骨組みだけになった海沿いの冷蔵倉庫も冠水した。 漁師の男性は「こんなに水があふれているのは見たことがない」と話した。 気象庁によると、大潮は9日まで続き、6、7日が最高の潮位となる見通し。 宮城県は、沿岸や道路に砂利や土のうを積み上げるなどの対策を実施。 ただ、沿岸部では市街地一帯が水浸しになるなど範囲が広いため、効果は限定的で、根本的な解決策は見つかっていない。 担当者は「地盤自体が低くなり、町全体を高くするか、堤防を整備しないと浸水は防ぎようがない」と話す。 国土地理院によると、地震による地殻変動で、震災前に比べ石巻市は最大78センチ、釜石市は同66センチ、岩手県の大船渡市は同73センチ沈むなど、太平洋側の地盤が大きく沈下した。 (共同通信より) -------------------- 大潮のたびに街が浸水する状況はかなり深刻だ。 これは揺れや津波の被害とは異なり、地殻変動そのものによる災害といえる。 実際にこれだけの沈下量では土嚢などの応急的処置も限界があるだろう。 とはいえ防潮堤の建設や人工地盤による街のかさ上げとなれば、具体的な復興計画を待たなければならないし、工事そのものもそれなりの工期を要することになる。 それまでこうした浸水に悩まされ続けるようでは沿岸地域の復旧もままならない。 さしあたり、仮設の堤防を設けることが急がれる。 少しずつでも「目に見える形で」前に進むこと。 今はそれが大事なように思える。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.03 00:41:07
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