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カテゴリ:測量
東日本大震災に伴う地殻の変動で、東京・永田町にある「日本水準原点」が沈下した可能性が出ている。
全国のあらゆる標高の基準になっていることから、例えば富士山の高さ(3776.24メートル)も微妙に変わってしまいかねない。 正確な基準は震災復興にも欠かせないため、国土地理院は再測量の作業に入る。 国土地理院は震災後、衛星利用測位システム(GPS)で全国の水準点を観測し、東北から関東地方の広い範囲で沈下を確認した。 宮城県の牡鹿半島では観測史上最大の1・2メートルの沈下を記録。 首都圏でも沈下したことが分かっている。 水準原点は10分の1ミリの精度が必要なためGPSでは観測できないが、国土地理院は「周辺の状況から沈下した可能性がある」(測地基準課)とみている。 水準原点は油壺験潮場(三浦市)で観測する平均海面を標高0メートルとして導き出している。 「復旧測量」と呼ばれる再測量は、標尺や計測機器を使う手法で、油壺から永田町まで道路沿いに水準点をたどっていく作業になる。 政府は第1次補正予算に関連経費を盛り込んだ。 水準原点は国会前庭園にある憲政記念館構内にあり、1891年に参謀本部陸地測量部が「標庫」を建てた。 ローマ神殿を模した建物に標高24.4140メートルを示す水晶板が固定されている。 建造当時は24.500メートルだったが、1923年の関東大震災に伴う地殻変動で改定された経緯がある。 東日本大震災では垂直方向だけでなく、水平方向の基準となっている「日本経緯度原点」(東京都港区)もずれた可能性があり、併せて復旧測量が行われる。 (カナロコより) -------------------- 地震以来東日本を中心に多くの基準点の成果が停止されており、水準点についても関東から東北地方にかけて停止されている。 国土地理院のHPには特に発表がないので詳細については分からないが、東北地方沖の地震で水準原点を改測に至ること自体、今回の地殻変動の影響の大きさを実感する。 電子基準点や合成開口レーダー(SAR)の解析により、面的な地殻変動量は把握されているが、今回の被災地域から離れた場所においても基準点の位置が水平・垂直方向とも移動している可能性は高い。 基準点が動いたとすればその影響は大きい。 電子基準点は今月中の復旧が発表されているが、基準点成果が使えなければ地図作成も遅れることになるのでなるべく早い段階での復旧を望みたい。 ちなみに水準原点が改測されても富士山の高さは変わらない。 富士山が沈下していれば話は別だが。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.05.09 01:04:01
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