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2011.09.16
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カテゴリ:災害・防災
政府の地震調査委員会委員長代理の島崎邦彦・東大名誉教授は11日、水戸市で開かれた日本地質学会で講演し、地震調査委員会が2002年7月に東北地方南部に巨大津波が到達する恐れがあると予測していながら生かせなかったことを明らかにした。
専門家の議論が政府の津波対策に反映されず、東日本大震災の大津波に見舞われた宮城、福島両県で犠牲者数が増えた恐れがあるとした。

地震調査委員会は02年7月、2万人以上の死者が出た1896年の明治三陸津波と同程度の大津波が、三陸沖北部から房総沖まで日本海溝沿いの広い範囲で起こりえるとの見解を公表した。
三陸から千葉の沖合で地震の規模(M)8.2が30年以内に20%程度の確率で発生すると予測できたからだ。
この地震の規模からすると大きな津波を伴う。ただ大津波が予想された範囲のうち、南側ではそれまで巨大な津波を起こす地震が観測されていなかった。

かねて日本の津波対策は、過去に観測された地震をもとに最悪の事態を想定しがちだった。
政府の中央防災会議の専門調査会は、02年2月に土木学会の原子力土木委員会が過去の津波事例をまとめた「原子力発電所の津波評価技術」という報告書をもとに防災対策を立てた。
結果的に宮城から南の地域では津波の高さが過小評価されていたと島崎名誉教授は指摘する。

東日本大震災では岩手から福島にかけての広い地域を高い津波が襲った。
島崎名誉教授は「岩手県南東部の陸前高田市以南での犠牲者は全体の78%に達した。政府が地震調査委の予測を採用し、防災対策を進めていれば津波被害を軽減できた」と話している。

(日本経済新聞より)
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ここにきてこの手の話が多く出てくるようになった。
いずれもタラレバの話で、今更されても何だかな、という印象は否めない。

大切なことはなぜこうした予測が世の中に出なかったのかを明らかにすること。
そしてその教訓を今後に活かすことではないか。

日本の学者の多くが有益な研究をしていることは知っているつもりだ。
しかしその成果が世の中に適切に認知される仕組みは未成熟と言わざるを得ない。

何のための研究なのか、社会への還元とはどういうものなのか。
今一度考える必要があるのではないだろうか。

タラレバ話は社会を不愉快にするだけだ。





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Last updated  2011.09.16 09:09:49
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