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2011.10.09
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カテゴリ:災害・防災
東日本大震災により首都圏で発生した地盤の液状化を受け、一戸建て住宅を販売する業界団体が土地の利用履歴や土質などをまとめた「地歴書」づくりを始めている
震災後に広がった買い手の不安を解消するとともに、液状化リスクを知る上での地盤情報の標準モデルを構築していく新たな試みだ。

国と地盤工学会の調査によると、今回、首都圏では一都六県の九十六市区町村で液状化が発生。
埋め立て地や、かつて池や沼だった場所の一戸建て住宅で、被害が目立った。

不動産契約の際、宅地建物取引業法で不動産業者などに義務付けられている「重要事項説明」に、液状化の危険度の説明は含まれていない。
危険度を知りたい場合は、自治体が公開しているハザードマップや古地図などを調べ、最終的には業者に地盤調査を依頼するしかない。

液状化への関心が高まる中、首都圏で一戸建て住宅の販売シェア四割を占める業界団体「日本住宅建設産業協会」戸建住宅委員会(約百社加盟)は、夏ごろから地歴書づくりに動いた。

新築物件について、古地図や謄本の記録から土地がどう利用されてきたかを集約した上で、現在の地形と土質のデータを組み合わせて、地歴書として作成。
委員会加盟の販売業者は、地歴書を買い手に無料で提供する仕組みだ。

さらに、顧客から詳細な調査を求められた場合は、コストを抑えたボーリングなどの現地調査を実施する。
地歴書と調査を併せて、地盤情報の標準化モデルにする考えだ。
地歴書のひな型は十月中にも完成する予定で、地歴書のデータベース化も検討している。

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三田俊彦委員長は「業者として『土地を売った後は知りません』とは言えない。地歴の作成は顧客の安心材料とともに、取引の際の業者のリスク回避にもつながる。できるだけ多くの加盟業者で進めていきたい」と話した。

液状化に詳しい東京電機大の安田進教授(地盤工学)は「今回の震災で、これまで見過ごされてきた一戸建て住宅の液状化対策が大切だという認識が広がった。新築は、業者がきちんと地盤の説明をして販売すべきだ」と話している。

(東京新聞より)
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非常に興味深い記事だ。
色々なことが変わり始めていることを感じる。

率直に言えば、これまで販売業者にはとにかく「売ってしまえば勝ち」という考え方があったはずだ。
買い手にも専門知識がないこともあり、土地や地盤といった安全にかかわる重要な部分は後回しにされ、立地の便利さなど他の価値観が優先されていたことは否めない。

しかし震災を経て買い手も変わった。
液状化した土地は資産価値も急落して、多くの人が苦しんでいる現状は決して他人事ではない。

これまでも自治体などで詳細な地盤の情報を調べているケースはそれなりにあった。
しかし、不動産業への影響が大きいことから公開されないことも多かったと聞く。

今ではこうした考え方は通用しなくなった。
誰もが自分の住む土地を気にしているのである。

地歴書やそのデータベース化の取り組みは消費者にとって大きな一歩となるが、同時に地域防災へも波及することになるだろう。
土地を知ることこそが地域を救うカギなのだ。





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Last updated  2011.10.09 01:52:24
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