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カテゴリ:測量
トリンブル(Trimble)はこのほど、写真測量と迅速な地形マッピング・アプリケーション用途の軽量無人航空機(unmanned aerial vehicle: UAV)のメーカで、ベルギー、ゲント(Gent)に本拠を置くゲートウィング(Gatewing)を買収したと発表した。
買収総額等は非公開。 写真測量とUAV の組合せは、成長途上の技術領域の一つであり、柔軟性のある航空画像の取得のための新機軸のプラットフォームである。 使いやすく柔軟性があるため、UAV は、中規模エリアの航空画像から、中心投影である写真を真上からの並行投影(正射投影)に変換したオルソフォト(orthophotos)や数値標高モデル(Digital Surface Models:DSM)を生成できる。 これらは、以前ならば高コストで長い計画サイクルでなければ実現しなかったものである。 ゲートウィングのソリューションには、X100 UAV およびデジタル画像処理と分析のためのStretchout デスクトップ・ソフトウエアが含まれる。X100 は2kg クラスの超軽量UAV で、素早く単純な画像取得を可能にする。 同モデルは機体、組込みGPS、慣性系と無線、10メガピクセルのカメラ、および電源で構成される。 (ARC業界ニュースより) -------------------- トリンブルといえばGPSの印象が強いが、UAVで写真測量に進出ということなのだろうか。 UAVは軍事利用以外では、農薬散布や災害関連の調査で比較的利用されてきた。 昨年福島第一原発で事故の後使用されたのも記憶に新しい。 空中写真撮影においては、かつては機体の積載重量の問題から搭載機器が限られたため、カメラの画角が小さくなり、飛行バンク角との関係で画像のオーバーラップが少なく、精密な写真測量が難しかったことや、費用対効果の問題からなかなか普及してこなかった。 一方、場所を選ばないことや飛行高度が低いことから地上分解能が高いという利点もあり、実用化に向けて様々な研究・検証が進められてきた。 今回のトリンブルのゲートウィング買収は技術的なことや費用対効果も含めてある程度の目処が立ったことを示すものだろうか。 今後はトリンブルの戦略の中で、様々な用途での使用事例が出てくるようになるだろう。 日本の市場の場合、従来型の業務ではどうしても公共測量作業規定との兼ね合いが出てくるが、費用対効果が優れていれば民間事例も増えてくるのかも知れない。 遺跡調査などではすでに実績があり、費用の問題さえクリアすれば潜在的な需要はかなりあるように思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.04.15 00:02:57
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