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カテゴリ:交通
西武ホールディングス(HD)の筆頭株主で米投資会社のサーベラスが、西武HDに西武秩父線を含む5路線の廃線を提案したとされる問題で、秩父地域の1市4町と日高市の首長らが10日、西武HDの後藤高志社長と西武鉄道の若林久社長、上田清司知事に西武秩父線存続に向けた計11万7031人分の署名を手渡し、支援を求めた。
知事は「国会の場で議論してほしい」と県選出国会議員に親書を出す考えを明らかにし、秩父商工会議所は株主がサーベラス側に株を売らないよう、株売買の仲介窓口を設ける方針を示した。 秩父地域の1市4町(秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町)は、全人口の約76%に当たる8万2466人分の署名を集めた。 一方、日高市の署名も市民の約6割に当たる3万4565人分が集まった。 首長らはそれぞれ所沢市の西武HD本社で後藤社長、若林社長と面談し、署名を提出。 その後、県庁で署名の写しを知事に手渡した。 久喜邦康秩父市長は「西武秩父線の運行は、通勤や通学、観光、産業経済などあらゆる面で地域の振興発展に極めて重要な役割を担っている。住民の熱い切なる思いを重く受け止め、引き続きご支援いただきたい」と要望。 続いて各議会から西武秩父線の存続・維持を求める決議文、商工会議所や観光協会からは要望書が提出された。 知事は「本県出身の渋沢栄一翁が“論語と算盤(そろばん)”と言われたように、倫理観のある企業活動が大事。サーベラスには、長期的なビジョンを大切にする日本的な経営判断も加味してもらうようお願いしていく。西武秩父線、埼玉西武ライオンズを残していけるよう、皆さんと相談しながら進めていきたい」と述べた。 さらに「本県選出の国会議員に親書のサインをした。翌日(11日)、全員に届け、国会の質疑の場でも問題を取り上げてもらうよう働き掛けていく」との考えも明かした。 一方、秩父商工会議所はサーベラス側の株取得を阻止すべく、株売買の仲介窓口を設ける方針。 高橋信一郎会頭は取材に対し「西武HDの株を売りたい株主と買いたい人との仲介役となり、秩父地域で安定株主をできる限り増やしたい」とし、月内にも専用電話を開設する予定という。 日高市の谷ケ崎照雄市長と商工会、観光協会の幹部らは10日、所沢市の西武ホールディングス(HD)本社を訪れ、西武秩父線の存続・維持を要望するため同市が先月29日から集めた3万4565人分の署名を、後藤高志社長と若林久社長に手渡した。 谷ケ崎市長によると、西武秩父線(吾野-西武秩父)は西武池袋線と一体的な運行で、日高市民をはじめ沿線地域の振興・発展に極めて重要な路線。 廃止されれば、高麗駅を利用する市民の通勤・通学、巾着田の観光などが大きな影響を受ける、としている。 これに対して、後藤社長は「熱いメッセージに感謝したい。西武グループは今回、鉄道の公共的使命を再認識した。鉄道の全路線を確保したい」と答え、若林社長も「熱い思いを重く受け止めた。 鉄道事業は地域に密着した生活路線として必要不可欠。しっかり守りたい」と返答した。 (埼玉新聞より) ------------------------------ 沿線住民にとってはまさに死活問題。 鉄道は生活の足であることはもちろん、この地域を訪れる観光客を運ぶ重要な手段になる。 かくいう自分も墓が秩父にあるため、年に数回は利用させてもらっている。 なくなることはとても考えられない。 サーベラスは西武多摩川線の廃止もうたっているが、これまた我が家の近所を走る鉄道で利用機会は多い。 これまたなくなったらえらいことだ。 鉄道会社も企業である以上、売上を求めることは当然だ。 しかし鉄道には「公共交通」という重要な肩書きがある。 国鉄分割民営化の後、採算重視でローカル線がどんどん廃止されて過疎化や高齢化が進む地域が多くなった。 公共交通として社会を守ることも大きな意味を持つと思うのだが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.04.12 01:29:28
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