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2014.08.14
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カテゴリ:地図作成
日本の最北端である北方領土・択捉島のカモイワッカ岬が、国土地理院の従来の地形図に示された位置から南西方向へ100〜150メートルに位置することが、国土地理院による人工衛星の画像解析で分かった。
同院は新たに同島の縮尺2万5000分の1の地形図を作製した。

北方領土はロシアに実効支配されているため現地調査できない。
これまでは、同院の前身である旧陸軍参謀本部陸地測量部が1922年に作製した5万分の1の地形図を基に、カモイワッカ岬は北緯45度33分28秒、東経148度45分14秒とされていた。

ところが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち」が撮影した画像データなどを解析したところ、同岬は北緯45度33分26秒、東経148度45分08秒と判明した。

緯度で南へ2秒、経度で西へ6秒のずれがある。緯度1秒の差は約30メートルとされ、日本の最北端は南へ数十メートルずれる。
これにより、日本の排他的経済水域(EEZ)もほんの少し縮む可能性がある。

択捉島の最高峰も、これまでは標高1587メートルの散布山(ちりっぷやま)とされていたが、南西部にある1629メートルの西単冠山(にしひとかっぷやま)と判明。
散布山は5メートル低い1582メートルに、逆に西単冠山は63メートル高く修正された。

同院基本図情報部は「地殻変動ではなく、精度の差によるもの。衛星画像は3方向から立体的に高い解像度で捉えており、より正確な地形図を作ることができた」としている。

(毎日新聞より)
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タイトルには「地形図間違い」とあるが、実際のところは測量方法や精度の違いに起因するものであり「間違い」というのは適切ではない。

カモイワッカ岬は島の北東部に位置している小さな岬。

カモイワッカ.jpg

この地図は修正済みのもので、赤丸が以前の図でのカモイワッカ岬のおおよその位置。

ちなみに標高が修正された散布山と西単冠山の図は以下のとおり。

散布山.jpg

西単冠山.jpg

それにしても現地調査ができない中でこれだけの測量ができることに「だいち」の凄さがある。
地上基準点を置かずに、軌道情報等から得られたRPCモデルから画像と地上の座h等を結び付けており、その精度は地上基準点を使用した様々な検証により確認されている。

既に役目を終えた「だいち」だが、今になって地図衛星としての底力を見せつけられたような気がする。





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Last updated  2014.08.14 03:16:13
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