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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2007.09.23
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<←去年の明野駐屯地創立記念行事でのAH-64DとEC225LP。本当に13機しか買わないつもりだろうか?>

 今日の夕方、いもたき会場に行く前の暇潰しに立ち寄った本屋で『航空ファン』と『J-Wings』の最新号をチェックしたのですが、その中の防衛省の来年度概算要求についての記事に気になる話が・・・

『AH-64D戦闘ヘリコプター、総取得機数13機で打ち切りか』

 陸上自衛隊は、2005年からAH-1S対戦車ヘリコプターの後継となる戦闘ヘリコプターとしてボーイングAH-64Dアパッチ・ロングボウの配備を開始しています。先頃示された防衛省の来年度概算要求では、AH-64Dは1機約83億円が要求されていますが、但し書きとして『戦闘ヘリコプターに係る経費は上記のほか、総所得機数見直しに伴う初度経費の償却等による増加分133億円がある』との一文があるのが気になっていました。
 2001年にAH-1Sの後継としてAH-64Dが選定されたとき、ライフサイクルコスト試算の中で所得機数を60機としていましたが、公式な総取得予定数はまだ示されていないように記憶しています。そんな中で今回の概算要求の資料を見て「やはりAH-64Dは高すぎて60機も買えないのだろうか? となると総数何機になるだろう?」と考えていたのですが、航空ファン&J-Wings誌の記事によれば、前回と今回の中期防で調達される計13機をもって調達を打ち切るとのことです。

 元々圧倒的な攻撃能力を持つAH-64アパッチに高度な索敵レーダーシステムやデジタルデータリンクシステムを搭載して大幅な近代化を図ったAH-64Dは、陸自の情報RMA(軍事革命)の一翼を担いうる装備としてまさに鳴り物入りでの導入となりましたが、一方で調達価格がAH-1Sの2~3機分と高価なことや、整備・運用面で複雑すぎるとの評価もあり、当初から順調に調達が進むのかどうか懸念もありました。そんな中での今回の調達打ち切りの情報は、正式決定となれば誠に残念と言わざるを得ません。
 ただ、AH-64Dの調達打ち切りの理由がその高額な調達価格故なのか、あるいは高性能ではあるが陸自の想定する運用に合致していなかったのかは判然としません。航空ファン誌の記事によれば、防衛省の説明として『アメリカでのAH-64DブロックIIの生産終了』(陸自のAH-64DはブロックII相当)を理由の一つとしているそうですが、そもそもそうした事態を見越して富士重工によるライセンス生産が計画されたはずで、またAH-64Dは将来的には現行のブロックIIからブロックIIIに発展する計画であり、日本もそれに追従することは可能なはずです。富士重工をはじめとする国内航空産業がAH-64Dのライセンス生産体制の構築に尽力してきたことも考えると、今回の防衛省の方針には今一つ釈然としないものがあります。
 今回のもう一つの問題は、当初予想されていた約60機の1/4以下にまで減らされた総取得機数です。現在、AH-64Dは航空学校明野本校に2機、同教育支援飛行隊に1機、同霞ヶ浦校に1機の計4機が教育用として配備されており、実働部隊への配備はこれからとなりますが、仮に総数13機として現在の教育用4機を差し引くと実働部隊には9機しか配備されないことになり、現在の1個対戦車ヘリコプター隊の半分程度しか充足できません。救難ヘリコプター等では十数機程度の調達で終了するものも少なくありませんが、戦力としてある程度の頭数を要求される攻撃ヘリコプターの総数が本当に13機で終わるとしたら、AH-64Dがいかに1機でAH-1S数機分の戦闘能力を賄えるとはいえ、たかだか13機では陸自の航空戦力全体として見た場合にどれほどの意味があるのか非常に疑問です。まぁ元々AH-64Dの総取得機数はAH-1Sより少なくなる予定でしたし、師団・旅団のヘリコプター飛行隊は観測ヘリと多用途ヘリ合わせて7~8機程度だったりするので、AH-64Dもひとまずそれだけあれば戦力としては使えるという判断なのでしょうが・・・
 今後気になるのは、その少数調達のAH-64Dが今後どのような形で実働部隊に配備されるかです。少なくとも機数的にはとても現在の5個対戦車ヘリ隊には回らないので、どこかの1個対戦車ヘリ隊のみ更新するか、あるいは第12旅団第12ヘリコプター隊に集中配備というのが一番可能性が高そうです。
 とりあえず、AH-64Dの今後についてはもう少し注視が必要かもしれません。


 何はともあれ、AH-64Dの調達が少数に留まるのは確実とみられますが、一方で旧式化しているAH-1Sの後継機が必要なことに変わりはなく、新しい戦闘ヘリコプターをどうするか?という新たな課題が発生するのは確実でしょう。
 陸上自衛隊ではUH-1Hの後継となる多用途ヘリをUH-60JAとUH-1Jのハイ・ロー・ミックスとしていますが、戦闘ヘリも同様にAH-64Dとより安価な他機種のハイ・ロー・ミックスとする可能性が高いと思われます。しかし、新たな戦闘ヘリには少なくともAH-1Sを上回る性能が要求されるわけで、現時点でそれを満たせる機種はAH-64DやAH-1Zなど非常に限られています。
 というわけで、現状で考えられる新しい戦闘ヘリの可能性は以下の通り。

1/AH-1Zバイパーを導入
2/OH-1をベースとする国産戦闘ヘリコプターを開発
3/結局AH-64Dの調達再開
(笑)

 これらのうち3は考えないとして(爆)、1のAH-1Zは性能面ではAH-64Dを上回る点も有しており、海外機の導入となれば最有力候補となるでしょう。ただ、AH-1Zはまだ米海兵隊でさえ本格配備に至っていないほか、2001年のAH-X選定でAH-64Dと比較した末に一度蹴った機種を再選定する度胸が防衛省にあるかどうかという疑問があります
 一方、OH-1をベースとする国産戦闘ヘリの開発については、2001年のAH-X選定の際に川崎重工がOH-1の武装化について構想していたようで、こちらも実現の目は充分にあると思われます。元々OH-1は攻撃ヘリに準じた外形を有しているので(機体サイズもAH-1Sと同程度)、対戦車ミサイル・空対地ロケット弾・機関砲等の武装や索敵・照準システムの追加装備はスムーズにできると思われます。また、OH-1は非常に優れた機動飛行性能を有しており、武装および戦闘システムの開発やエンジンのパワーアップが上手くいけば戦闘ヘリとしても優れた能力を発揮する可能性は大いにあります。ただ、国産戦闘ヘリの開発には性能面での未知数が大きいほか、開発費も高騰する懸念があり、この2つは国産航空機の開発に必ずと言っていいほど付きまとう宿命といえるかもしれません。個人的にはAH-1W/Z並みの戦闘能力が実現できるなら期待したいところですが・・・





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Last updated  2007.09.24 20:50:10
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