くれーじーくえいる　ぶろぐ

　年度末の３月は海上自衛隊の部隊で編成替え等が集中する時期でもあります。今年も以下のような艦艇の動向がありました。

＊就役
・３／６　潜水艦『もちしお』（SS600） 第１潜水隊群第３潜水隊（呉）に配備
・３／11　掃海艇『ひらしま』（MSC601）　掃海隊群第２掃海隊（佐世保）に配備
・３／13　ミサイル護衛艦『あしがら』（DDG178）　第４護衛隊群第64護衛隊（佐世保）に配備

＊転籍・種別変更
・３／６　潜水艦『はやしお』　練習潜水艦に種別変更（SS585→TSS3606）
　　第１潜水隊群第３潜水隊（呉）→潜水艦隊第１練習潜水隊（呉）
・３／11　掃海艇『なおしま』（MSC684）
　　掃海隊群第２掃海隊（佐世保）→佐世保地方隊下関基地隊第43掃海隊（下関）
・３／11　掃海艇『まきしま』（MSC677）
　　佐世保地方隊下関基地隊第43掃海隊（下関）→呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊（下関）

＊除籍
・３／６　潜水艦『ゆきしお』（SS→TSS3605）　最終所属：潜水艦隊第１練習潜水隊
・３／11　掃海艇『ひこしま』（MSC669）　最終所属：呉地方隊阪神基地隊第42掃海隊
・３／12　ミサイル護衛艦『あさかぜ』（DDG169）　最終所属：第４護衛隊群第64護衛隊

　ネームシップの『あたご』（DDG177）が漁船と衝突事故を起こすという痛いミソを付けてしまった中での就役となった２番艦『あしがら』。佐世保に配備ということで２護群と４護群のどちらに配備か気になっていましたが、ストレートに『あさかぜ』の後釜として４護群に配備されたようです。定係港が佐世保なのでそう簡単に見られる機会はまだないでしょうが、いずれは呉や夏の高知にも来港してくれることを期待したいです。
　潜水艦は『もちしお』就役でおやしお型全艦が実任務に就きました。今後はAIP（非大気依存推進）動力を搭載するそうりゅう型に移行することになります。また、掃海艇は最新型の『ひらしま』が実任務に就くことになり、今後さらに２隻が建造されますが、2008年度から調達される予定のFRP船体の掃海艇はひらしま型を踏襲するのか新規設計になるのか気になります。
　一方、来る船あれば去る船有。『ゆきしお』と入れ替わる形で『はやしお』が除籍となり、ゆうしお型はすべて姿を消すことになりました。また、たちかぜ型DDGの２番艦『あさかぜ』もついに除籍。はつしま型掃海艇も『ひこしま』の除籍で２隻を残すのみで、管理人的には『ひこしま』は去年高松で見たのが最後になりました。


　新旧艦艇の慌ただしい動向の一方、近年増大する海外派遣任務や弾道ミサイル防衛、洋上テロ対処等の新たな任務への対応能力を強化するべく、海上自衛隊は艦艇部隊および航空部隊の大幅な組織改編を実施しました。海自始まって以来最大規模の改編となります。
　海上自衛隊の基幹部隊である護衛艦隊の４個護衛隊群は、それぞれ群直轄のDDH・２または３隻のＤＤからなる２個隊・DDG２隻からなる１個隊の３個護衛隊編制を取っていましたが、新編制では４隻ずつの２個護衛隊編制に再編されます。このうち１個隊はDDH・DDG・ＤＤ２隻で編制されるDDHグループ、１個隊はミサイル防衛に対応したDDGとＤＤ３隻で編制されるDDGグループと位置付けられており、DDHグループは将来的にはひゅうが型DDHの配備によりヘリコプター運用のミニ機動部隊的な性格を有することになると思われます。
　さらに、これまで全国５個の地方隊に所属していた６個護衛隊が護衛艦隊隷下に編入され、沿岸防衛や通峡管理の任務が護衛艦隊に一元化されることになります。また、護衛艦隊直轄の訓練支援艦『くろべ』（ATS4202）『てんりゅう』（ATS4203）が自衛艦隊隷下に新編される第１海上訓練支援隊に編入されます。
　一方、航空部隊はこれまでの８個固定翼哨戒機部隊・９個回転翼哨戒機部隊を４個固定翼哨戒機部隊・５個回転翼哨戒機部隊に集約し、これまで地方隊所属だった大湊・小松島・大村の３個航空隊が航空集団に編入されるほか、７個回転翼救難機部隊も６個隊に集約されて航空集団に編入されます。

　2008年早々ゴタゴタ続きとなってしまった海上自衛隊ですが、この部隊改編を機に心機一転して日本の防衛任務に邁進してもらいたいと願う次第です。