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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2008.07.14
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テーマ:ゴルゴ13(71)
 以前にも紹介した伝説の(笑)実写映画版『ゴルゴ13』2作がそれぞれDVDとして10月21日にリリースされることになりました。


『ゴルゴ13』(1973年東映/佐藤純弥監督 主演:高倉健)


『ゴルゴ13 九竜の首』(1977年東映/野田幸男監督 主演:千葉真一)
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 管理人的には見てくれからして濃すぎる(爆)千葉真一版は正直どうでもいいので、以前TVでちょっとだけ見た高倉健版を全編見てみたいところです。蔦屋でレンタルされるかな?
 というわけで、今週のアニメ版『ゴルゴ13』の解説をば。

〔Target.14:落日の死影〕  原作:リイド社SPコミックス第31巻収録(1976年初出)

CAST  AX-3:大塚芳忠  アントン・ルーカス:関貴昭  ムルザング:金谷ヒデユキ

 アメリカ連邦議会上院の情報活動特別委員会は、CIAが数千人を殺傷可能な量の致死性毒物を密かに隠し持っていることを記者会見で公表した。この毒物はある特定の貝毒とコブラの毒素を主原料としたもので、ごく少量で人を死亡させることができ、解毒方法も見つかっていないという。この事案は化学兵器禁止条約への明らかな違反であり、上院は本格追求に乗り出すことに。
 一方、その毒物を製造する組織をコントロールしていた黒幕の人物は、議会の追求が他方面に及ぶのを警戒して毒物の製造工場を研究者共々消去することを決断する。だが、その毒物工場の所在地はエージェントにすら隠蔽されており、黒幕は外部のプロを雇って工場の所在地を突き止めさせた上で始末させようと計画する・・・

 朝を迎えたパラオ諸島のとある島。その売春宿の一つで娼婦と一夜を過ごしたゴルゴ13の姿があった。娼婦曰く、昨夜相手にした客も自分相手にイカなかったそうで、同じように冷たい目付きでほとんど話をしなかったという。ゴルゴ13は彼女にマヌという男について尋ねるが、娼婦の昨夜の客も同じ男について訊いてきたらしい・・・
 宿を後にしたゴルゴ13はマヌが出入りしているというバーを訪れ、求職中の薬学者と称してバーテンダーから情報を集める。この島にはパパイヤから抽出されるタンパク質分解酵素であるパパインを製造する工場があり、そこで多くの薬学者を雇っているという。だが、その工場の経営者はほとんど人前に姿を見せない謎の人物らしい。店を出たゴルゴ13はちょうど店に居合わせたマヌから接触され、自分の紹介で件の化学工場に就職の世話をしてやると持ちかけられる。マヌ曰く、さっきも同じく薬学者だという男を紹介したばかりらしい。
 そして夕刻、ゴルゴ13はマヌから紹介されたムルザングという人物の屋敷を訪ねるが、屋敷の番犬はすでに何者かに射殺されており、当のムルザングも室内で縛り上げられていた。ゴルゴ13はムルザングを拳銃で脅して工場の経営者に自分を薬学者として紹介させる。その夜、パパイン製造工場に案内されたゴルゴ13は経営者のアントン・ルーカスに接見し、宿舎に案内されて一泊することに。だが、アメリカでの例の疑惑報道を機にアントンはスパイの潜入を警戒し、ゴルゴ13と先に迎え入れた人物を寝室の監視カメラで監視していた。ゴルゴ13はその監視の目をかいくぐって宿舎を抜け出し、経営者の屋敷へと潜入する。ところが、そこにはすでに先客が侵入していた。工作員らしきその男はアントンの両脚をサイレンサー拳銃で撃ち、毒物工場がラパロ島という島の洞窟内にあることを白状させる。
 ベランダにいたところを警備員に見咎められたゴルゴ13は拳銃で応戦、騒ぎを聞き付けて表に出てきた先客の男と対面する。男はアントンの屋敷に手榴弾を投げ込んで爆発させるが、ゴルゴ13も工場の各所に設置していた時限爆弾を作動させてあっと言う間に工場を炎上させ、その場から姿を消す。
 パパイン工場を壊滅させた後、例の工作員の男はラパロ島に向かうべく地元の漁師からカヌーを借り受けるが、漁師曰く、一時間前にも別の男が仲間の漁師からカヌーを借りてラパロ島に向かったという・・・

 深夜のラパロ島にカヌーで潜入した工作員の男。だが、洞窟を進んだ彼は、先に潜入した何者かによって見張りが喉を切られて死んでいるのを見つける。そのまま洞窟内の工場に辿り着いた男は居合わせた警備員たちを拳銃で射殺するが、非常ベルを押そうとした最後の一人を岩陰に潜んでいたゴルゴ13がM16A2で仕留めた。改めてゴルゴ13と対峙した男は、依頼人こそ違うが共にこの毒物工場の殲滅を依頼されていると見抜き、お互い敵対関係になる必要もないならプロ同士それぞれ勝手にビジネスに入ろうと提案、共に夜明けを待つ。
 そして早朝、ゴルゴ13と男は姿を見せた工場の技術者たちを次々にライフルで射殺、飛び出してきた警備員たちも銃撃と手榴弾で悉く排除し、各所を爆破して任務を完了した。二人の破壊活動によって工場内に集められていた大量の毒蛇や毒虫たちが溢れ出しており、二人は集られるのは面倒とばかりに島からの脱出を急ぐ。
 かつて太平洋戦争の激戦地だったという島の洞窟内には多数の日本兵の遺骨が散乱していた。上陸した入り江の海岸に戻ってきた男は、岩陰で喉に銃剣を突き刺して自決した日本軍将校の白骨化した亡骸を見てふと呟く。「どうせ俺たちのビジネスはロクな死に方をしないだろうが、願わくばこうして誇り高く死にたいものだ・・・はは、くだらない感傷ってやつかな」ゴルゴ13は冷ややかに応じる。「だろうな・・・蛇の死体も犬の死体も、人間の死体も、皆同じはずだ」男は自分たちのビジネスでは人間以外の死体は金にならないと言うが、ゴルゴ13は返す。「女の髪のピンを吹っ飛ばすだけで金になるということもある・・・スナイパーならな」
 衛星携帯電話で依頼人に仕事の完了を報告する男を尻目に、早々に島を去ろうとするゴルゴ13。ところが、"AX-3"のコード名で呼ばれるその男に、依頼主は倍額の報酬を示してアメリカ側が送り込んできた工作員の始末という新たな依頼を出してきた。それが目の前の相手だとすぐに悟った"AX-3"は、プロ同士の哀しい宿命を実感しつつゴルゴ13と対峙する。お互い、ライフルに残した弾は1発のみ。先に動いた方が負ける・・・
 海からは満潮で潮が上がり、背後の洞窟からは工場から湧いて出た毒虫の群れが迫る中、両者はその場から一歩も動かず半日以上に渡ってお互いの隙を読み合う。やがて夕刻が迫り、潮が干潮になり始めた頃、洞窟からコウモリの群れが飛び出したその時、ついに両者が動いた! お互いが放った最後の一発がそれぞれの肩口を掠める。横っ飛びに伏せたゴルゴ13は将校の亡骸が持っていた銃剣を取って投げ、拳銃を抜こうとした"AX-3"は喉に刃を受けて斃れた。「銃では、互角だった・・・銃では・・・」そう呟いて息絶えた"AX-3"の最期を見届け、ゴルゴ13は島を後にする――――――


○○○○○○

 ゴルゴ13シリーズにおける"プロ同士の対決編"の中でも屈指の傑作と評されている本作。原作ではCIAが禁止された毒物兵器を秘密裏に隠し持っており、西側陣営がゴルゴ13を雇って毒物工場の破壊を依頼したのに対し、同じく毒物兵器の供給を受けていた東側陣営も独自に工場を破壊すべく工作員"AX-3"を送り込むわけですが、CIAが毒物を違法保有していたという設定はアニメでもそのまま踏襲されている一方、"AX-3"を送り込んだ依頼主の正体は明らかにはなっていません。ただし、作中ではアメリカだけでなく中東にも毒物を供給していたことを示唆する台詞があるほか、"AX-3"の武器をロシア製にすることでその背後関係が原作通りであることをイメージさせる演出になっています。ちなみに、原作の舞台はミクロネシアですがアニメでは何故かパラオになっています。
 なお、その"AX-3"の武器ですが、原作ではS&W系っぽい自動拳銃とM1カービンでしたが、アニメではAK74とマカロフPbを使用。Pbは旧ソ連軍の制式拳銃であるマカロフことPMを改造した特殊部隊向けサイレンサー拳銃で、こんなマニアックな代物を出してきた辺りに原作へのオマージュと考証の細かさを感じます。
 ところで、工作員が名乗る"AX-3"は依頼主との通信時のコード名で(原作では本名は明らかになっていない)、アニメ版では第1話『AT PIN-HOLE!』のジェイク・クエード(原作ではフリッツ・スタイン)みたいにオリジナルの本名でも付けるかなと密かに期待してたんですが、結局原作そのままに"AX-3"のままでした(笑)

 本作の見所は何と言っても、その道のプロとして双璧を成すゴルゴ13と"AX-3"の姿でしょう。依頼主こそ違うものの同じ依頼を受け、同じようなペースで敵情を探って潜入し、偶然にも相対するもののお互いに介入せず勝手に仕事を進めようということで結果的に図らずも共闘する形となるも、最後はプロ同士の命がけの対決に臨むことになるという皮肉めいた展開に。射撃の腕もほぼ互角で、おまけに買った娼婦も同じならベッドでの女性の扱い方まで同じという・・・(笑)
 一方で、微妙に異なるゴルゴ13と"AX-3"のプロとしての矜持・・・いつ死んでも不思議でない稼業故にか"誇り高き死"にどこか憧れを抱いている風の"AX-3"に対し、どんな死体だろうとそれ以上の認識を持たず、感傷や誇りといった主観に流されることなく粛々と仕事を遂行するゴルゴ13。ラスト、お互い銃撃ではケリを付けられず、拳銃を抜こうとした"AX-3"に対してゴルゴ13が咄嗟に銃剣を手にして仕留める結末も、プロとしての"生"や"死"への僅かな考え方の違いが二人の明暗を分けたといえるでしょう。
 アニメ版の都合で尺は短くされているものの、二人の哀愁と緊迫感溢れるやり取りが原作そのままに描かれていたのは非常に良かったです。

 ちなみに、今回"AX-3"を演じたのは大塚芳忠。最近では『仮面ライダー電王』のデネブ役でのおとぼけな演技が印象に残っていますが、今回はゴルゴ13と双璧を成すプロをシブく演じてくれました。
 あと、個人的に気になったのが工場の連絡要員であるムルザング役。かつてフジテレビ系の『タモリのボキャブラ天国』の芸人コーナーにて替え歌ネタで人気を博した"地獄のスナフキン"金谷ヒデユキがチョイ役ながら見事に好演しておりました。現在の金谷氏はお笑い芸人から卒業してミュージシャンとして活動しているほか、最近では81プロデュースにジュニア所属して声優としても活動の幅を広げているようです。





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Last updated  2008.08.26 22:42:14
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