テーマ:ゴルゴ13(71)
カテゴリ:東郷農機広報部/ゴルゴ13関連
ゴルゴ13アニメ版の感想を書く上で、各話の原作を読むのは比較評価する上で最低限必要な情報なんですが、どうも第2クール以降の放映話はなかなか近場で原作が見当たらず困ってます(苦笑)以前ミニストップでやっていたアニメ放映原作を収録したリイド社単行本の一括販売も今はまだないようだし・・・まぁ単行本だけで140巻以上あるんだから古本屋でも全巻揃うことは滅多にないでしょうけどね。とりあえず、今後も地道に探してみることにします。
〔Target.17:残光〕 原作:リイド社SPコミックス第15巻収録(1973年初出) CAST レオン・ゴールドマン:津嘉山正種 アニタ:弘中くみ子 警部:辻親八 ハワイのワイキキビーチで休養中だったシカゴのマフィアのボス・ゴメスが、白昼何者かに狙撃されて死亡した。ビーチから遠く離れたホテルでその仕事を終えたのはゴルゴ13だった。ホテルを出た彼は、現場に向かう警察のパトカーの車内に一人の老いたFBI捜査官の姿を見かけて、ふと6年前のある記憶を思い出す・・・それは、かつて自分を拘留して追い詰めようとした人物だった。 ビーチで現場検証に当たる地元警察の刑事たちだが、犯人の目撃情報はなく、どこから狙撃したのかまるでわからない。FBI捜査官のレオン・ゴールドマンだけは犯人に心当たりがある様子だったが、彼は何故か他の刑事たちにそれを話そうとはしなかった・・・ ハワイの警察当局は、ボスを殺されたシカゴのマフィアが犯人の目星を付けて勝手に報復に出て一般市民に被害が及ぶことを懸念していた。そんな中、レオンはFBI捜査官にしては大人しい仕事ぶりを他の刑事たちに揶揄されつつも、仕事が終われば若妻のアニタとのささやかで平穏な暮らしを楽しんでいた。 そんな折、スポーツジムでトレーニングに励んでいたゴルゴ13は軍隊崩れのチンピラ5人に絡まれるが難なく叩きのめす。尚も突っかかろうとしたチンピラたちを制したのは体育館に現れたレオンだった。ワイキキビーチでのゴメス殺しをいち早くゴルゴ13の仕事だと見抜いていたレオンは、6年前の彼との因縁を思い返す―――――― 6年前、サンフランシスコに勤務していたレオンは弁護士射殺事件の参考人としてゴルゴ13を拘留し、彼の犯罪を立証しようと奔走したが、ゴルゴ13は彼に仕事を依頼しようとする国防総省によって身柄を移されてしまう。レオンはゴルゴ13の身柄引き渡しを求めたが、個人的正義より国家的価値観を優先する国防総省側に突っぱねられ、尚も諦めきれないレオンはゴルゴ13について徹底的に調べつつFBIやCIAへの抗議を続けたが、その結果ハワイへ左遷されてしまったのだった。 だが、レオンはゴルゴ13を逮捕しようとはせず、直ちにハワイから立ち去るよう求める・・・ レオンとアニタの結婚記念日のこの日、警察はシカゴから入ってきたマフィアたちの動きを追って奔走していた。そこへ、昨日ゴルゴ13に絡んだチンピラたちが彼に仕返しを試みて返り討ちに遭い、ゴルゴ13共々警察に連行されてきた。レオンはすぐに彼らを釈放させると、改めてゴルゴ13にハワイから立ち去るよう促す。 ハワイに左遷されてから6年、若く魅力的な妻を迎え、定年まで残り2年となった今のレオンは以前とはすっかり変わり、このハワイの地で得た平穏な生活を面倒事で乱されたくない一心からゴルゴ13に去るよう求めたのだった。立ち去るレオンとゴルゴ13は静かに鋭く視線をぶつけ合うが・・・ そして夕刻。レオンの自宅では妻アニタがささやかなお祝いの夕食の用意を調えて夫の帰りを待っていた。だがその頃、路上で街路樹に激突した車の中で、レオンは懐の拳銃に手を伸ばしたまま何者かに狙撃されて命を落としていた。その助手席には妻への花束とプレゼントが・・・ アニタが夫の帰りを待つレオンの自宅。そのそばをゴルゴ13の乗った車が通りすぎていった―――――― ○○○○○○ かつてゴルゴ13の犯行を追ったことのあるFBIの老捜査官が6年後にゴルゴ13と再会するも、彼の殺しの仕事を見抜きながら見逃そうとする今回。シリーズとしては可も不可もない地味な部類に入りますね。 かつては敏腕捜査官だったものの、ゴルゴ13を追おうとしてFBIやCIAに楯突いた末にハワイという辺境に放り出されてしまい、そこで得た妻との安寧な生活にすっかり慣れたことでかつての覇気を捨てた老捜査官レオンはゴルゴ13に二度に渡って静かにハワイから離れるよう促します。しかし、結局彼は車に乗っていたところを狙撃されて死亡し、それがゴルゴ13の手によるものであることが示唆されるラストになるわけですが、何故ゴルゴ13がレオンを殺す必要があったのかは原作でもアニメでもはっきりとは描写されていません。 今やすっかり事なかれ主義を装う黄昏れた老捜査官になってしまったレオンですが、ゴルゴ13との二度目の邂逅の後に一瞬だけぶつけ合ったその眼光には、まだかつての犯罪を憎む敏腕捜査官としての輝きがまだ残っていたのでしょう。ラストの直前、警察署内で自分の拳銃に装填された弾を確認するレオンの姿も、あれだけゴルゴ13に去れと言っておきながら内心ではまだ彼への固執を捨てられなかったのではないかと思わせます。そんなレオンの存在はゴルゴ13にとってどう映ったのか・・・? 二度に渡って自分の仕事を見抜いた彼を、ゴルゴ13は黄昏れた存在とはいえ自身に対する脅威として認識したのでしょうか? ラストのレオンの死の場面、助手席に妻へのプレゼントと花束が置かれていて、死んだレオンが懐に手を入れているところを見ると、彼は帰宅の途上にゴルゴ13の姿を見かけ、ゴルゴ13に対して拳銃を抜こうとして撃たれたものと推測されますが、それがゴルゴ13を見かけて自分から銃を抜こうとして返り討ちにされたのか、あるいはゴルゴ13が自分を狙っているのを見て銃を抜こうとしたのかは何とも推測できません。 まだチェックできていない原作では、作中の登場人物の台詞として「男なんて完全にプライドを捨てきれるものじゃない」という旨の台詞が登場し、レオンが殺された理由を推測させる材料となっているようですが、アニメ版では再現されなかったのが少々残念・・・ 相変わらず豪華なゴルゴ13アニメ版のキャスト陣、今回はレオン役を津嘉山正種が渋く好演していました。また、"地獄のスナフキン"金谷ヒデユキが第16話に続いてゴルゴ13に絡んで殴られる軍隊崩れのゴロツキ役Aで再出演しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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