テーマ:ゴルゴ13(71)
カテゴリ:東郷農機広報部/ゴルゴ13関連
今週の『ゴルゴ13』アニメ版は原作をチェックできないままのレビュー。Yahoo!コミックの『The Archive Selection of ゴルゴ13』でタイミング良く取り上げてくれればいいんですが、そうでないと古本屋をハシゴしての原作チェックは辛いです(苦笑)
〔Target.42:大きな口の湖上〕 原作:リイド社SPコミックス第32巻収録(1977年収録) CAST ボルガ2:桑島法子 ジョセフ・D・マッコード:斉藤志郎 ボブ・ミラー:宗矢樹頼 バーク・ベンソン:大滝寛 クーキー:柿原徹也 深い雪に覆われたカナダ・ノースウェスト地区のとある森で、ボルト・アクション式のライフルを携えて獲物を追うゴルゴ13の姿があった。同行するハンティングガイドのクーキーは群れで移動するムースの群れを見つけるが、風下からでは狙えるチャンスは少ないと諦め顔。だが、ゴルゴ13は構わず走り出したムースの群れに狙いを定める。そして一発の銃声が響き渡った直後、彼の放った銃弾は二頭のムースを同時に仕留めていた。この地域ではハンター1人につき仕留めていいムースは1頭のみと決められており、明確な規則違反であった。 銃声を聞き付けて現場に駆け付けた猟区管理官のボブ・ミラーとバーク・ベンソンは、相手が一発の銃弾で二頭仕留めたことに驚きつつ、ゴルゴ13を管理事務所に連行しようとするが、ゴルゴ13は背後に立ったバークを咄嗟に銃床で殴り付け、そのまま逮捕されてしまう。 その夜、山荘に戻ったクーキーは一発で二頭のムースを仕留めたゴルゴ13のことを他の宿泊客たちに話すが、それを聞いた客の男三人と女一人が行動を起こす。実は彼らは某国の工作員であり、ゴルゴ13が猟区管理官に拘束されていると知って、自分たちの任務の妨げとなる彼を抹殺しようと目論んでいた。 一方、猟区管理事務所ではミラーとベンソンがゴルゴ13を取り調べていたが、所持品には特に不審な点はない。ミラーは彼が持っていたライフルが狩猟用にしては重く銃弾共々カスタム品らしいと察し、彼が単なるハンターではないと察するが、ゴルゴ13は黙秘の一点張り。と、そこへゴルゴ13を狙うスパイ三人が殴り込んできた。ゴルゴ13はミラーのリボルバーを奪って三人を返り討ちにすると、ミラーが負傷したベンソンの手当てをしている隙に手錠を外して自分のライフルを取り戻し、外の車で待機していた仲間の女を脅して逃走する。 正体不明の怪しげな襲撃者三人、逃走した東郷なる男・・・ミラーはただ事ではないと表情を硬くする。 翌朝。ゴルゴ13は女スパイと夫婦を装ってとある山荘に逗留していた。ベッドに寝かされていた女スパイは自分が身ぐるみを剥がされてしまったことに気付くが、ゴルゴ13が外に出て行った隙に山荘の管理人の女性を殴り倒して衣服と防寒着を奪い、上司に連絡を取る。上司の命を受けた女スパイはゴルゴ13から"トロイカ"を守るべくスノーモービルで山荘を出て"トロイカ"との接触地点へと向かう。 その頃、ゴルゴ13は"大きな口"(ラージ・マウス)と呼ばれる小さな湖の畔に身を潜めていた。ゴルゴ13はCIAから元CIAの暗号係のジョセフ・D・マッコードという男の抹殺を依頼されていた。マッコードは某国と内通するカウンタースパイで、発覚と同時に姿を消してオタワの某国大使館への亡命を狙っており、仲間の工作員による回収を待っていたが、わかっているのはその回収地点が"大きな口"という湖の上だということだけ。標的との接点はその湖上での一瞬しかない・・・・・・ 女スパイはとある小屋に潜伏していた"トロイカ"ことマッコードに無事接触し、二人でスノーモービルに乗って接触地点である"大きな口"へと向かう。彼らの頭上にはマッコードを回収すべくヘリが飛来する。何とかヘリが自分を見つけてくれたことに安堵する女スパイに、マッコードは君の来ている赤い防寒着はすぐに目に付くからと言うが、それを聞いた女スパイははっとなる。思えば、自分はあまりにもゴルゴ13の手から逃れることができた・・・? 一連の事象を思い返して、これがゴルゴ13の罠である可能性に気付いた女スパイだったが、すべては後の祭りであった。 次の瞬間、氷結した湖上に飛び出したマッコードと女スパイをゴルゴ13の放った一発の銃弾が貫いた―――――― ゴルゴ13が"大きな口"の地図を持っていたことを思い出し、手掛かりを求めて一人湖へと向かったミラーは、そこで射殺されたマッコードと女スパイの死体を発見し、すべてを悟る。あの一発で二頭のムースを仕留めたのは偶然でもまぐれでもなく、このためだったのだと・・・・・・ ○○○○○○ カナダで狩猟中に狩猟違反を犯してしまったゴルゴ13、猟区管理官に拘束された彼を狙うスパイたち、そしてCIAから逆スパイの始末を依頼されていたゴルゴ13の行動は・・・という筋立ての本作。原作では標的のマッコードが通じていたのは旧KGBで、CIAとKGBの暗闘というシリーズでは定番の話の一つですが、流石に本作では敵側はどこの国の工作員かは明確にされていません。ただし、ゴルゴ13に脅された女スパイのコードネームが"ボルガ2"となっている辺りにロシア系を匂わせてはいます。 なお、原作では事件に巻き込まれる格好になった猟区管理官のミラーとベンソンが、二週間前にマッコードが行方不明になった事件を思い出して彼が東側の逆スパイではないかと推測するシーンがあるのですが、原作では省略されてミラーが一人"大きな口"に赴いて事件の真相を目の当たりにするという演出になっています。この辺は一介の猟区管理官がCIAとKGBの暗闘を推測するという展開ではリアリティがないってことで変えられたんでしょうかね。 本作の最大のキモは、ゴルゴ13が標的マッコードを始末するために仕掛けた大掛かりで巧妙な布石の数々でしょうか。 ・2頭のムースを1発で仕留め、猟区管理官を殴り付けて拘束される ・同行していたガイドが凄腕のハンターの話をロッジで披露し、それを聞き付けた敵が動く ・管理事務所に殴り込んできたスパイたちを返り討ちにし、女スパイだけ捕まえて逃走 ・逗留した山荘で女スパイの衣服を剥いで焼き捨てる。さらに山荘の女性管理人に赤い防寒服を贈る ・女スパイは隙を見て女性管理人の衣服と防寒着を奪って逃走、マッコードの元に辿り着く ・湖の畔で待機し、スノーモービルに乗って現れたマッコードを女スパイもろとも狙撃 こうしてまとめると、2頭のムースを1発で仕留めたのも、猟区管理官に捕まったのも、山荘の女性に赤い防寒服を贈ったのも、女スパイが逃走したのを敢えて看過したのも、すべてがマッコードを仕留めるという目的に収斂しているのがよくわかります。服を失った女スパイがどう動くかという点まできっちり読み切ったゴルゴ13の人間離れした計算高さに改めて脱帽・・・ わざわざ女スパイまで標的もろとも撃つ必要はなかったんじゃ?という気もしますが、ここは雪上で容易に判別できる目印としていたからと解釈しておくことにします。 今回女スパイ役を演じたのは桑島法子。桑島嬢のエ○声を期待してた視聴者の皆さん、蓋を開けてみればハダカだけで残念でした(爆)まぁ原作でもゴルゴ13と女スパイのエ○はないんだから当然なんですがね(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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