カテゴリ:エセ軍事マニアの呟き
<←2002年の北朝鮮工作船一般公開で展示されていた北朝鮮製AKS74とみられるライフル。管理人が実物のAK系を見た機会はこれを含めて3回くらいです>
去る23日、AK系アサルトライフル等の開発者として知られた旧ソ連/ロシアの元軍人で銃器設計家のミハイル・ティモフェィエビッチ・カラシニコフ氏が、ロシア連邦ウドムルト共和国の首都イジェフスクの病院にて亡くなりました(享年94) 1911年に旧ソ連アルタイ地方に生まれたカラシニコフ氏は、1938年に旧ソ連軍に徴兵されて戦車兵として独ソ戦に従軍、戦闘中に負傷し入院したのを機に小火器設計を志しました。その後、1946年にドイツ軍のStG44(MP43/44)に範を取った新型自動小銃を設計し、これが1949年にAK47としてソ連軍に採用されました。AK47はシンプルな設計とそれによる生産性・信頼性の高さが高く評価されて戦後のアサルトライフルの代表作の一つとなり、生産性を向上させたAKM、5.45mm弾を採用したAK74等へと発展しつつ今日まで生産が続けられています。旧ソ連/ロシアだけでなく東ヨーロッパや中国等の社会主義諸国でもライセンスやコピーによりAK系ライフルは生産されて世界中に広まり、正規軍からゲリラ・テロリストに到るまで良くも悪くも最も普及した小火器の一つとなりました。 AK系ライフルの他に派生型のRPK分隊支援火器やPK/PKM汎用機関銃等の開発も手掛け、高齢になってもイジェマッシ社の設計部門に携わるなど銃器設計者として精力的に活動を続ける一方で、自らの発明を周囲にひけらかすことのない控え目な性格で、紛争やテロにおいて多数のAK系ライフルが使用されている現状には常に懸念を表明していました。そういえば、日本のアームズ・マガジン誌連載の『魔法の海兵隊員ぴくせる☆まりたん』の企画で編集部がカラシニコフ氏にインタビューに赴いた際に「子供に銃を持たせちゃいかん」と叱ったというエピソードも残っていますね(笑) 以前の床井雅美氏の講習会後の懇親会の席で、雑談がてら講習会のアイデアとして「カラシニコフ氏を日本に招待して講演とかどうよ?」みたいな話で盛り上がったことがありました。床井氏曰く「ご高齢だし通訳の用意とかもあるから難しいだろう」との見解でしたが、残念ながらそれは叶わぬ夢となってしまいました・・・ 来月以降のGun Professional誌辺りで追悼特集組むかなと期待しつつ、偉大な銃器設計者のご冥福をお祈りしたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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