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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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山・旅・冒険にまつわる本

2020.08.16
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テーマ:お勧めの本(5293)
​​​​・膝を傷めて数年、治ったらまた山に復活したいと思っているが治るどころか年々悪化しているような感じ。もう厳しい山には行けないなあとさびしく思っている今日この頃である。こんな時には本を読んで山岳気分を味わうかなと・・・

・下村さん初読み。チョモランマ、K2に続く世界第3の標高の山はカンチェンジュンガだということはこの本で初めて知った。山岳小説としては、海外の難ルートを舞台として設定しているのには無理があってリアリティがないような気がした。フィクションの山岳小説としては臨場感もあり問題なく、サスペンスとしも面白くてほぼ一気読みだった。内容は謎が謎を呼びけっこう真相は複雑。ラストは意外なハッピーエンド。ほぼ悪人はいないというストーリーも良かった。


2020.8.15読了


・プロローグでの男と「彼」はいったい誰なのか?男はザイルで引っ張り上げて「彼」を助け、テントの中で事情を聴く。「彼」を仲間のもとにたどり着かせてはならないと思いながら男は「彼」を残してテントを出た。直後、大規模な雪崩が発生した。真相は最後まで読まないと分からない。

・カンチェンジュンガで雪崩に巻き込まれた日本人登山者7名のうち一人の単独行者高瀬が生還した。彼は出会った登山隊の非人間的な態度を非難し、偶然出会った登山者加賀谷を英雄視する美談発言をして話題になる。その後に、登山隊の1員であった東もまた生還して彼の発言を全面的に否定する。どちらかが嘘をついている。何のために?

〇山を捨てた兄がなぜカンチェンジュンガに登ったのか・・・誰がザイルに切り込みを入れたのか。兄の死因はなんだったのか。
〇「山を汚すわけにはいかない、だから登らなきゃならないんだ、って」
〇二人の生還者。高瀬の美談。東の反論。行方不明中の加賀谷が残した謎の言葉『断罪が必要なんだ』
・雪崩に巻き込まれて兄を失った増田と雑誌記者で山好きの恵利奈が真相を追う。

・その4年前に冬季の白馬岳で起こった遭難と雪崩事件では、兄の婚約者で憧れていた女性の美月が亡くなって兄は生き残った。そのツアーのガイドだった男が加賀谷だと分かる。そして東もまたこのツアーで妻を亡くしていたことが分かる。が、彼は自殺してしまう。

〇皮肉なものだと思う。生き延びるために加賀谷を見捨てて移動した女性たちが命を落とし、見捨てられて決死の下山を敢行した加賀谷が救助隊に救われたのだから
〇なぜか美月たちのビーコンは切られていたんだ。
・ほとんど誰も悪人がいなかったこの小説の中で、美月たち女性たちが生き残るため、食い扶持を減らすためにガイドの加賀谷を見捨てて追い出したという結末は残念だし、たぶんそんなことはないだろうなという思いが残る。彼に発見されないためにビーコンを切っていたなんてあり得ん!ここだけはちょっといただけないなと思う。

〇あなたはもう幸せになっていいと思う。生き延びたのはあなたのせいじゃない。
・エピローグは結婚式。恵利奈の相手が高瀬って最高の結末でサプライズだったぞ!増田が葉子さんを裏切ることにならなくてホントに良かったと思う。よかったよかった。






Last updated  2020.08.16 19:26:24
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2020.04.16
テーマ:お勧めの本(5293)
​ 読んだのは6年も前だが、​羽根田さんの「ドキュメント道迷い遭難」​のレビューをアップしたのをきっかけに、その前後に読んだ「ドキュメント○○遭難」シリーズを思い出した。ワシは仲間と登ることが多いのだが、単独山行もかなり多い。夏か秋には1週間くらい休みを取ってテントを担いで単独で山に入っている。羽根田さんの「ドキュメント○○遭難」シリーズは読んでおくべき本だと思っている。と言いつつ、気象遭難はまだ読んでないっす。


201420.12.16読了

​●滑落遭難ケースのノンフィクション。掘り下げ不足という感想もあるようだけど、自分としては結構リアルで掘り下げもこれ以上は難しいだろうなと思うのでクオリティー高いと思う。
●今回のテーマは「滑落」だけど、「道迷い」の結果、滑落するケースも多いとのとこ、肝に銘じて対策したいと思った。
●「過信」(難易度が低いまたはいつものコースなので大丈夫?とか)「油断」(とくに危険個所を通過してほっとした後の何でもないとこでろ)が遭難の原因になるようです。
●「連れて行ってもらう」&「連れて行ってあげる」タイプの山行、リーダーのみでサブリーダーのいない形態の山行も問題のようで今後の山行に生かしたいと思います。
●テレマークスキーを止めて以来解約してずっと無保険状態でしたが山岳保険にはやっぱ入りなおさなけらばと思った。​


2015.4.26読了

●「単独行はこんなに危険だからやめましょう」という内容なんだろうなと思って読んだけど、そうではなかったのがGOOD!

〇単独行の良さがある。行動の意思決定ができること、時間に追われないことは単独行ならではの醍醐味だ。高山植物を愛でながらウイスキーを飲んで昼寝・・・」
●より自然と一体化を感じるのも単独行だと思う。だけど、それなりのスキルと装備と覚悟を持って山に入らねばならないってこと。道迷い遭難を避けるスキル、どんなに注意しても怪我をする可能性はあるのでセルフレスキュー、最悪の場合の覚悟を持って。

〇「他人を頼りにはできない単独行は、自己完結している登山のスタイル・・・何かアクシデントがあったときに、すべてを自分自身で背負込まなければなりません・・・」

●この本を読んで7人のケースの人たちが何を考えてどう行動したかを追体験しておくことは役に立つことだと思う。自分の場合、いつも滑落して骨折して動けなくなって痛くて腹へって・・・というイメージがいつも浮かんできちゃいます。多分、観た映画や読んだ本の影響?

●冬山でテントと数日分の食糧を持って15-6kgで60リットルってコンパクト、まだまだ軽量化見直さねば・・・

〇「計画した行程全体を通して自分自身を制御できるか」
●見栄を張らずもう少し余裕のある計画にすべきだと思った。山行の楽しみ方を少し変える方向で・・・

羽根田治さんの遭難ドキュメント
​「ドキュメント道迷い遭難/羽根田治」(人生に通ずる教訓かも?と考えさせられる) ​
「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか 低体温症と事故の教訓/羽根田治等著」(かなりリアルな教訓である)​ 






Last updated  2020.04.16 21:29:05
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テーマ:お勧めの本(5293)
​ 読んだのは5年も前だが、​羽根田さんの「ドキュメント道迷い遭難」​のレビューをアップしたのをきっかけに同じ頃に読んで印象の強かったこの本を思い出した。1週間くらい夏休みを取ってテントを担いで山に入っていたが、当時は大雪山からの縦走を考えていたのでとってもリアルに読んだ記憶がある。結局、足を骨折してその計画は断念したのだが、その後も周囲の人間から「海道には祟りがあるからもう行くな」と言われてしょんぼりしつつ現在に至る)


2015.3.12読了

●前半はリアルで忠実なドキュメンタリーとかろうじて生き残ったガイドの証言で、そのあと専門家による気象、医学、生理学的な立場かたらの見解が述べられているという構成。
●「低体温症について意識する」「とにかく服を着る」「食べる」「ビバークまたは小屋に引き返す判断」などがポイントかと思った。
気象遭難
〇2000m級の大雪山の稜線付近の気象状況は、3000m級の北アルプスの稜線付近の気象状況に匹敵するものであり、夏山といえども零度C近くの低温下、風速20m近くの強風下にさらされることがあると・・・
〇山上ではなお上昇流が残るので天気回復が遅れることが多い。高山では平野部より天気の回復が遅れる

低体温症
〇体温35℃以下
〇疲労凍死という言葉は、低体温症に完全に置き換えるべき、
〇「ああ、そうだったのか、やっぱり疲労して寒くて死亡したのか」では・・・教訓は決して生かされない
〇今回の調査によると、低体温症の症状は早期から脳障害を発症することが分かった。酸素不足と低温(血流による)に弱いとされる脳細胞・・・35-34℃で歩行が遅くよろめく、震えが激しい、意味不明の言葉を発する、無関心、軽度の錯乱状態、これ以前に回復処置をとるべき〇脳症状が先に来て震えを伴わない場合もある

運動生理学
○衣類が濡れている、いないにかかわらず、やはり重ね着していた人のほうが有利だった
○衣類を着込んで保温に努めたり、雨具をつけて濡れないようにしたり、小屋に戻るか、テントもしくはツエルトでビバークする・・・
○体力的にある程度余裕があれば小屋にもどり、その余裕がなければ早めにビバークするべきだった・・・
●弱い運動のエネルギー源は脂質だけど、登山のような激しい運動では糖しか使えないので、登山では定期的な糖分の補給が必要。
●体重+ザックの重さが、行動時間や距離とともに変数になって消費カロリーが決まるらしい。だいたい(体重+ザックの重さ)x30kcalくらいかな?・・・ということは体重60kgでザック25kgとすれば2550kcalでその70%は補給しようと思えば1800kcalかぁ・・・テントの長期縦走では無理やな!

*近年、膝を故障してあまりハードな山行は、というよりも山行自体無理っぽい虚弱体質になっているが、いつの日か北海道の山、大雪山山系や知床には登ってみたいなと思っている。

「ドキュメント滑落遭難」「ドキュメント単独行遭難」/羽根田治​ 
「ドキュメント気象遭難」(未読)






Last updated  2020.04.17 19:48:47
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2020.04.15
テーマ:お勧めの本(5293)
​ 読んだのは5年ほど前だったのだが、短篇集「ハルカの空」(樋口明雄)の「サードマン」を読んで記憶が蘇ったので感想文を読み直してみた。いい本だったなと思った。ほぼそのまま、ちょっとだけ編集してアップすることにした。


2015.1.28読了


●7事例のドキュメントは、当事者には申し訳ないけど緊迫感もあって下手な短編小説よりも面白かった。

○山の鉄則
「道に迷ったら沢を下るな。尾根に上がれ(登り返せ)」
「おかしいなと思ったら引き返せ」
●山に登る人なら誰でも知っていることなのに、実際にはみな同じように逆の行動パターンを取ってしまうのは、パニックになっていたり疲れていて楽なほうを選んだりということで判断を誤ってしまうんでしょうね。

●ほとんどの事例で地図もコンパスも持っていなかったことが当たり前すぎて?あまり強調されていなかったけど、道を迷わないために、間違ったことにすぐ気がつくために、間違ったときにリカバリーするために地図とコンパスの携帯、読図能力が必要ということ。

●自慢じゃないけど山での道迷い経験は山ほどあります。幸い今までは「おかしいな」と思って引き返して(確かにだいたいは登り返し?)リカバリーしています。沢登りはもともとが登山道じゃないしもっと別な能力や経験が必要で別格だと思うなぁ・・・

●軽量化のために最近あまり持って行かなくなったけど補助ロープはやっぱ持つべきか?もって行った事ないけど発煙筒も必要か?
考察)
「道に迷ったら沢を下るな尾根に上れ」はなぜ?
沢を下ると本来の登山道からだんだん離れ、尾根に上り返せば本来の登山道にだんだん近づく沢を下ると下れない滝や通れないまたは渡れない谷(水量や崖で)で進めなくなる、雪山では雪崩もあるし雨では鉄砲水もあるし・・・要するに危険ってことか
尾根に上がれば見通しが利いて現在地がわかったり目標地が見える可能性がある






Last updated  2020.04.16 21:40:31
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2020.04.12
テーマ:お勧めの本(5293)
・樋口明雄さんはつい先日読んだ​「サイレント・ブルー」​が初読みで、八ヶ岳山麓を舞台にした社会派小説といったくくりの小説だった。著者が南アルプス山麓に居を構えていて山岳小説を書いている人だと知ったので、山岳小説ならとりあえず読んでみねばなるまいと図書館で借りてみた一冊。

・自分も山を登るので(というかちょっと前までは登っていたのでというのが正しいかもしれないのがちょっと寂しい)、ちょっとあり得ないかなと思ったりするところも無きにしも非ず。それよりも臨場感を共感できたり、感情にも共感できたりした部分が大きかった。

2020.4.12読了


・北岳の中腹にある白根御池小屋に隣接する警備派出所に常駐する山岳救助隊、山岳救助犬チーム「K-9」の活躍を描いた4つの短編集。現実には日本ではまだ山岳救助犬は存在していないそうなのでこの設定架空のものだ。

・主人公の星野夏実巡査は、ボーダーコリー犬(あまり犬見興味がないのでどんな犬か知らないけど)「メイ」のハンドラーで、ジャーマン・シェパード「バロン」のハンドラーである先輩の神崎静奈巡査、川上犬「カムイ」のハンドラーである上司の進藤諒太などが活躍する。星野夏実の成長物語としての連作集という見方もできる。

「沈黙の山」
 女子大生の山ガールは自分を追い越そうとして滑落した男性のことを誰にも打ち明けられなかった。夏実は、「感情の色を見ることができる」特殊の才能で彼女が隠し事をしていることを察知して・・・・男性は救助された。

「ランナーズハイ」
 必要な装備も省いた軽装で登山者の迷惑も顧みずに山を走るトレイルランナーがテーマ。遭難したトレイルランナーが自分を顧みる。傲慢だと思っていた彼は孤独な弱い人間だった。そして立ち直る。

「サードマン」
 医師免許をもったにも関わらず警察官になって山岳救助隊員になった関、妹も弁護士を目指して法学部に入ったにも関わらず、自然環境の仕事をしたいといって山小屋でバイトしている。
二人の父親は医師だったが登山が趣味で、二人が子供の頃に山で遭難して亡くなっている。子供の頃二人だけで山に登った時に道迷い遭難、サードマンに道案内されて助かった。あれは父だったのか?そして関がまた遭難者を救助して道に迷ったときにまたサードマンが現れた!ちょっと不思議な話。

〇道迷い遭難で尾根に戻らず、下に向かってしまう。崖で道が途切れても、かまわず下降を続ける。登山者が絶対にやってはいけないことを、彼らは選択してしまっていた。
●そうなんですよ!ワシも昔、立山で道に迷ったときのことを思い出す。30年位前かなあ。そのときは疲労困憊していたこともあって尾根に登り返そうという発想はなかった。下に降りていけばそのうちに何とかなるはずだと思って下へ下へと下って行っていたら崖の上に出てしまった。無理して崖を降りても黒部の支流は凄い流れでとても渡渉できるようなものではなく諦めてそのあたりでビバークした。翌日になって下ってきた道を上り返して尾根に出たら本来の登山道にリカバリーすることができて事なきを得たということがあったのだ。​羽根田さんの「道迷い遭難」​を読んでもらいたい。

「ハルカの空」
 山小屋でひと夏のアルバイトをする女子大生の遥香が主人公。マナー違反の登山者に腹を立てたり、山岳遭難や救助を目の当たりにしながらひと夏を過ごす。

〇「何よりもここで生きている人が好きなんです。・・・」
・ちょっときれいすぎる終わり方かなと思った。山小屋小説としては​笹本稜平「春を背負って」​も忘れてはなるまい。

「NO WAY OUT」 
ある男の死をきっかけに上司の警部補堂島が息子が遭難した冬の北岳に無謀にも単独で登ったらしいと気付いた夏実がメイと追いかける。吹雪の山頂で発見したが堂島は動けない。巨体の堂島を背負って降りようとしたが疲労のため途中で歩けなくなり、雪洞を掘ってビバークする。12月に吹き溜まりで何とか深くなった雪で本当に雪洞が掘れるのかちょっと疑問も感じたので良い子のワシらや皆さんはマネしないほうがよさそう。この雪洞ビバークの判断がこの短編の山岳小説としての肝ではないかと思っている。

番外編
〇「オロクさん」という言葉をさかんに耳にするので、聞けば、南無阿弥陀仏の文字が六つだから。つまり、山で遭難した遺体を意味する言葉なのだそうだ。
●それは知らなかった。ヤマで死んだ人以外にも使われているのではないかと思う。

〇そもそも航空法において遺体は特殊貨物扱いとなり、物輸にはそれなりの手続きを踏まねばならない。いちいちそんなことをしていたら、何日も待たされる。だから、ケーブルで吊り下げて機体の横に固定する、機外収容というかたちで搬送するのだ
●これは聞いたことがあった。そんな法律は改めればいいと思うのだけれど、そうはいかない事情もあるのかもしれない。

〇「ボーコン」沢は亡魂沢と書く。その言葉の意味が胸に突き刺さる。

●何も知らずに「膀胱」沢かとか無神経に想像していたのを申し訳なく思う

・読後はイマイチだったなと思ったはず。だけど、これだけくどくど感想を書いてしまったということは人に伝えたかったのだろうか? とくにヒマを持て余しているわけではないので・・・

・これからもヤマに関する本ならフィクション、ノンフィクション問わず読み続けていきたいと思う。もう長いこと膝の故障でハードな登山はできなくなっているが、年相応の登山を続けていけたらと思うし、できれば膝がた少しでも良くなってちょっとだけでもハードな登山の世界に戻れたらいいなと考えている。






Last updated  2020.04.15 21:24:49
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2020.03.29
テーマ:お勧めの本(5293)

・愛してやまない椎名誠さんが推薦している本だったので、BOOKOFでたまたま見つけて思わず購入した。シーナさんは本書のあとがきも書いている。

・ところで、読み終わって気が付いたこと。表紙や本文中のイラストからみてジュニア向けのほんかもしれない。というか冷静になってよく見て考えてみればそれに違いない。とは言え、楽しめればジジイが読んでも何の問題もないだろうが!と開き直るしかない。(それなりに)面白かった!



2020.3.28読了

・時は明治31年、帆船「龍睡丸」が太平洋上で難破、珊瑚礁の小島に漂着した16人の乗組員が救助されるまでのサバイバル生活を書いた話でおそらく実話だと思われる。

〇総員は、作業に就く前、今すぐに、はだかになれ。ここでは、はだかでくらすことにする。

●冬の寒い季節やいざという時のために貴重な衣服を温存するためではあるのだけど、無人島にたどり着いていきなりの指示がこれかあ!と思った。

〇あかりもないし、みんなつかれているから、今夜はゆっくりねて、あすの朝、いろいろ相談しよう。おやすみ

●初日の夜の船長の言葉。「そんなんでいいんですか?」とつっこみたくなる。大物?おおらか?自分が同じ立場だったらそんな気持ちにはなれないと思った。酒飲んでたら別だけどなと思う。しかし、なんと彼らは酒は飲まないことを約束して生活していたのだ!(まあ現実問題として酒がなかったのだとも思うけど)

・井戸を掘る、海水を蒸留して水を得る、火をおこす、居住する建物を作るなそやっぱり明治時代の人たちってリアルにたくましいなと思った。圏外でスマホで検索してやり方を調べることもできないだろうし、そもそも現代のワシらにはかなり難しいだろうなと思う。

・ウミガメやサメ(ふか)って美味しんだなと初めて聞いた。ウミガメの牧場を作るという発想がまたスゴイなと思った。

〇りっぱな塾か、道場にいるような気もちで、生活しなければならない。

●研修生がいたこともあり島の生活を学びの場として意識して生活していたこともあり得ないほど素晴らしいと思った。指導者=船長の思想と指導力のすばらしさを感じる。一人一人の人間性も良く、全体としても統率のとれた16人の集団生活になったのだと思う。

〇みんなが、おいらのことを、老人というが、まだ、たった55歳だ

ちなみだけどワシ60歳。ただし、昔の55歳でも60歳でもいいが、現代よりも見た目がもっと老けていたような気がする。自分が年を取ってしまったからそう感じるのかもしれない。いや確かに違うぞ!とも思う。

・代々捕鯨をする漁師で小笠原島生まれのアメリカ系帰化人の名前が「小笠原」、国後島出身だったら「国後」。適当に苗字をつけてたんだなと思った。

・というわけで面白かったのだけど、やっぱり自分は海や島よりも山派なのかとも思った。






Last updated  2020.03.31 20:56:04
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2019.09.18
テーマ:お勧めの本(5293)
●読んで外れのない笹本さん(といっても山岳小説ばかりしかよんだことがないのだけど)の5作品目。図書館で借りてはみたもののタイトルからして先鋭的なクライマーの世界の小説だと思ってしばらく読まずに置いてあった。ところが読み始めてみたらいい意味で期待を裏切られた感じ。誰にも注目されなかったから登られていなかっただけの未踏峰、といってもヒマラヤの6000m台の山「ビンティ・チュリ」に登る話なので誰でも登れる山ではないのだが、人生に挫折したり障害を持った人たち、訳ありの人生を背負った三人とパウロさんの姿を通して生きることの意味を考えさせる話しだった。


●仕事というか人生に疲れて前科を負ってしまった裕也が働くことになった北八の山荘「ビンティ・ヒュッテ」そこには、完ぺき主義で料理の達人だけどアスペルガー症候群という障害を持ったサヤカと、体力はあるけどやはり知的障害を持った慎二が働いていた。小屋の主のパウロさんは大木のような存在で温かい人だったけど、かつては先鋭的クライマーだったにもかかわらず突然引退をした謎の人物で・・・

〇可能性とは、あらかじめ与えられているものではなく、与えられた条件の中で全力で行動することによって創造するものだ(パウロさん)
●4人の再起をかけて定めた目標がヒマラヤの無名の未踏峰、「ビンティ・チュリ」と名付けて登山計画を練っていたところパウロさんが火災で死んでしまう。その後にパウロさんからの遺書が3人に届く。そして3人で「ビンティ・チュリ」初登頂を目指す決意をするのだった。そしてパウロさんが残してくれた無形の遺産、3人の強い絆だったり、言葉だったり、「生きることの本当の意味」だったり・・・

〇「山に登ることを苦行にしてはいけない。人生はたった一度きり。その一刻一刻に生きる喜びを感じるために場所として山はあるのだ」「人として生きる本当の理由を、頭で追い求めては駄目だとも言っていた。その答えは、全身全霊を懸けて人生を生きることのなかにしかありえないのだと-」「つまり、人間て、ただ生きているだけで意味があるっていうことよ」

〇「わかった。君たちはこの山の初登頂を目指す。おれたちは南壁のルート初登頂を目指す。ただし最初に頂上に着くのがどちらかはわからない。約束したいのはフェアプレイ精神でやろうということだ。おれたちがわざとスケジュールを遅らせて、君たちに初登頂の栄誉を譲ることもできる。しかしミスター・マキモトがここにいたら、そんなことは決して許さなかったはずだ」
●天候にしても突然現れた2人組のアウトロークライマー(これも過去のパウロさんにかかわりのあるナイスガイだったので彼の遺産といえるかもしれない)にしても一波乱あるのかなと思わせてハッピーエンドに向かって行ってホッとしたけどちょっと肩透かしだった気もする。けどデュバルたちもカッコよかった!

おまけ)
〇登るというただ一つの行為に集中するうちに、余分な思考が消えてゆく。意識が次第に透明になっていく。魂のなかに宇宙が浸透してくる。
●分かるような気がするけど・・・残念ながらそこまで自分が宇宙に溶け込んで同一化するような境地にはまだ至ったことはない。登山中も雑念、邪念が頭から離れない。






Last updated  2019.09.18 22:24:31
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2019.08.15
テーマ:お勧めの本(5293)
●折立から入って黒部源流域で4泊5日のテント山行する計画、旅の友にする本の候補だったけど惜しくも選に漏れた1冊。食料やアルコールが減ったら三俣小屋あたりで買って読めばいいかもという気もあったのだけど、黒部五郎から双六、槍ヶ岳に行ったので三俣小屋にも寄らずじまいになってしまった。結局は山行前と下山後に自宅で読んだ。実は再読です。


●振り返ってみると初読みは2015年なので4年前、再読も楽しませていただきました。伊藤さんの人柄が伝わってくるようだし、天然記念物というか重要文化財的な「山賊」たちの話も現実味のあるお伽噺のようで面白いし郷愁を感じる、失われてしまったことが本当に惜しくて切ない。

〇槍ヶ岳も、人々にとっては山の象徴であるが、そのころの私にとっては人の住む里の象徴のように思われた
●槍ヶ岳を「山」と思うか「里」に近い存在と認識するかって面白い感じだけど、長く山に入っているとその感覚分かるなという気がする。

〇「拾うよりも早い」
●遠山林平の毛バリで岩魚を釣る超人的技術が目に浮かぶ。黒部の源流近くでは竿を持った人たちを結構見かける、ワシも渓流でテンカラ釣りやってみたいなぁ・・・・

初回読後のメモを以下に引用しておきます
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●元は昭和39年発刊、昭和20-30年代に黒部源流の三俣山荘でたむろしていた山賊こと天然記念物級の愛すべき猟師たちと伊藤正一氏の生活が書かれた本、本文だけでなくその前の地図からあとがき、最後の寄稿文まで全部面白い!
●伊藤氏の黒部源流の山域に対する愛情というか愛着が伝わってきて自分も追体験したかのごとく愛着を感じてきてしまいます。ちょうど昨年の秋に黒部湖から水晶、烏帽子のあたりを歩いたこともあるのだろうけど、逆にこの本を先に読んでから出かけていたらまた山行も違った印象になったのかも?と思ったりもする。また今度はまた違うところから黒部の違う領域を彷徨してみたいと思う。できれば釣竿を持って・・・
寄稿:高橋庄太郎
〇ただ山を歩くだけではレクリエーションやスポーツン世界でしかないが、先人が記したその山域の名著を読むことで、山を文化としても捉えられるのだ。・・・時空を超えた四次元の感覚で味わえるともいえるだろう。●そのとりだと思う。だから本は面白い!
時代背景
〇「穂高の仙人」上條嘉門次に匹敵する、「黒部の主」遠山品衛門が16歳で黒部に入ったのが慶応2年(1866)ころ・・・150年前か平ノ小屋や東沢などに小屋があって烏帽子岳から入っていたらしい、湯俣川の下流は硫黄で魚が住めないので、上流に黒部源流から岩魚を運んだらしい・・・
伊藤正一氏が三俣蓮華小屋を買ったのは終戦の年昭和20年
愛すべき山賊たち
遠山富士弥:品衛門の三男、口がうまい山賊たちのボス、カモシカ2000頭、熊100頭獲った
遠山林平:山と魚を愛した芸術的な岩魚釣り名人、「拾うよりも早い」かつ「彼が釣った後は直後でも釣れた」
鬼窪善一郎:通常の3-4倍足が速い、カモシカ200頭、熊100頭
倉繁勝太郎:金の中においても大丈夫な正直者の熊獲り名人。カモシカ300頭、熊100頭
愛すべき黒部の地
〇ゴールドラッシュの岩苔小谷●どこかに金鉱があるといわれた・・・読売新道の尾根と雲ノ平の尾根の間の谷です。佐々成正の埋蔵金の話もあるし・・・その見張り役のための村が有峰村だったらしい
〇道しるべになった水晶の白骨
〇かべっけが原の不思議な呼び声●タヌキ?タヌキって本当に擬音を出して人をだますのかなぁ・・・








Last updated  2019.08.15 18:55:29
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2019.08.13
テーマ:お勧めの本(5293)
●4泊5日のテント山行の友に持っていった1冊は、最近ハマっている笹本稜平さんの山岳小説シリーズ4冊目のBookOf本。帯には「笹本稜平の作品ほど安心して薦められる山岳小説はない」とか書いてあったが(読了は下山後になってしまったが)、その通り、やはり面白かった。



〇この場所にいることが森尾にとっては、なにか本質的な意味において幸せなことらしい。それは人間にとってと言い換えてもあながち間違いではないだろう
●ニュージーランドのアスパイアリングの商業登山ツアーを舞台にした山岳小説であり、法廷小説でもあるのだけど、生きることの意味を問うのがテーマの小説だったなと思う。

〇生きようとすることは、生に執着することは素晴らしいことなのだ
〇ただ率直に感じるんです。生きることは無条件に良いことだと。
〇「いや、いい歳をして恥ずかしいよ。自分が悔いなく生きた証か-。いい言葉だよ・・・命がある限り情けない生き方はしたくないよね」
〇死を覚悟さえしたアスパイアリングでの苦難が、いかに生の喜びに溢れていたかを思い出す。物質面での不自由が何もない、命を脅かす危険もないこの世の中が、魂にとっては不毛の砂漠に見えてくる・・・
●逆境になって初めて「生」を感じたりその「価値」に気が付くって分かる気がする。共有できる感覚だと思う。

〇逆転勝訴の切り札になってくれた湯沢にしてもそうだった。自分は森尾に救われたと彼は言った。
●人は周囲の人と関係して影響を与え受けながら生きている、生きていることの意味は何なんだろうという問いかけを感じた。
(いつもも通り、〇は本文からの引用、●は感想です)






Last updated  2019.08.13 19:51:27
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2019.06.25
​​​●笹本稜平山岳小説3冊目もBookOff、これまでの2作とは違って「ほのぼの」というか「しみじみ」というかみたいなテイストの人間ドラマ、奥秩父の山荘を舞台にした連作短篇集だった。​​


●「剱岳 点の記」の木村大作さんが監督で映画化されたらしく、帯によると脱サラして親の後を継いで山小屋の主になった主人公が松山ケンイチ、亡父の大学ワンゲル部の後輩で、ホームレスだけどシーズンだけ小屋で働く頼りになるゴロさんは豊川悦治、自死まで考えて山に入ったけど救われて山小屋での生活で生きる意味を取り戻した美由紀が蒼井優というキャストだった。全然詳しくないのだけど、主人公と松山ケンイチには何となく違和感を感じながら読んだ。

〇<オオシタキュウジロウサマ ココロヨリアイシテイマス ツマ ヨリコ>(野晒し)「心から心へ受け継がれるものって、見えないけどあるんだね」(疑似好天)
●夫婦愛がテーマになったこの2作が良かったと思う。

〇「気がついたのよ。気持ちが沈んでいるとき、誰かのためになにかをしてあげらると、心の中に光が差し込むの。」(野晒し)「人間て、誰かのために生きようと思ったとき、本当に幸せになれるのかもしれないね。そう考えると、幸福の種はそこにもここにもいくらでもあるような気がしてくるね」(荷揚げ日和)
●他にも主にゴロさんが語る人生訓みたいなものがなかなか良かったような気がするけど具体的にはあんまり覚えてないなぁ。








Last updated  2019.06.25 22:44:15
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