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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2020.08.16
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テーマ:お勧めの本(7218)
​​​​・膝を傷めて数年、治ったらまた山に復活したいと思っているが治るどころか年々悪化しているような感じ。もう厳しい山には行けないなあとさびしく思っている今日この頃である。こんな時には本を読んで山岳気分を味わうかなと・・・

・下村さん初読み。チョモランマ、K2に続く世界第3の標高の山はカンチェンジュンガだということはこの本で初めて知った。山岳小説としては、海外の難ルートを舞台として設定しているのには無理があってリアリティがないような気がした。フィクションの山岳小説としては臨場感もあり問題なく、サスペンスとしも面白くてほぼ一気読みだった。内容は謎が謎を呼びけっこう真相は複雑。ラストは意外なハッピーエンド。ほぼ悪人はいないというストーリーも良かった。


2020.8.15読了


・プロローグでの男と「彼」はいったい誰なのか?男はザイルで引っ張り上げて「彼」を助け、テントの中で事情を聴く。「彼」を仲間のもとにたどり着かせてはならないと思いながら男は「彼」を残してテントを出た。直後、大規模な雪崩が発生した。真相は最後まで読まないと分からない。

・カンチェンジュンガで雪崩に巻き込まれた日本人登山者7名のうち一人の単独行者高瀬が生還した。彼は出会った登山隊の非人間的な態度を非難し、偶然出会った登山者加賀谷を英雄視する美談発言をして話題になる。その後に、登山隊の1員であった東もまた生還して彼の発言を全面的に否定する。どちらかが嘘をついている。何のために?

〇山を捨てた兄がなぜカンチェンジュンガに登ったのか・・・誰がザイルに切り込みを入れたのか。兄の死因はなんだったのか。
〇「山を汚すわけにはいかない、だから登らなきゃならないんだ、って」
〇二人の生還者。高瀬の美談。東の反論。行方不明中の加賀谷が残した謎の言葉『断罪が必要なんだ』
・雪崩に巻き込まれて兄を失った増田と雑誌記者で山好きの恵利奈が真相を追う。

・その4年前に冬季の白馬岳で起こった遭難と雪崩事件では、兄の婚約者で憧れていた女性の美月が亡くなって兄は生き残った。そのツアーのガイドだった男が加賀谷だと分かる。そして東もまたこのツアーで妻を亡くしていたことが分かる。が、彼は自殺してしまう。

〇皮肉なものだと思う。生き延びるために加賀谷を見捨てて移動した女性たちが命を落とし、見捨てられて決死の下山を敢行した加賀谷が救助隊に救われたのだから
〇なぜか美月たちのビーコンは切られていたんだ。
・ほとんど誰も悪人がいなかったこの小説の中で、美月たち女性たちが生き残るため、食い扶持を減らすためにガイドの加賀谷を見捨てて追い出したという結末は残念だし、たぶんそんなことはないだろうなという思いが残る。彼に発見されないためにビーコンを切っていたなんてあり得ん!ここだけはちょっといただけないなと思う。

〇あなたはもう幸せになっていいと思う。生き延びたのはあなたのせいじゃない。
・エピローグは結婚式。恵利奈の相手が高瀬って最高の結末でサプライズだったぞ!増田が葉子さんを裏切ることにならなくてホントに良かったと思う。よかったよかった。





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Last updated  2020.08.16 19:26:24
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