『ハケンアニメ!』’22・日
あらすじ連続アニメ『サウンドバック 奏の石』で夢の監督デビューが決定した斎藤瞳。だが、気合が空回りして制作現場には早くも暗雲が漂う。瞳を大抜擢してくれたはずのプロデューサー・行城理は、ビジネス最優先で瞳にとって最大のストレスメーカーに・・・。解説日本アカデミー賞・優秀作品賞・優秀監督賞・優秀主演女優賞・優秀助演男優賞・優秀助演女優賞・優秀脚本賞・優秀音楽賞・優秀美術賞・優秀編集賞・新人俳優賞日刊スポーツ映画大賞・作品賞・助演男優賞直木賞『鍵のない夢を見る』、本屋大賞『かがみの孤城』で知られる辻村深月が、2012年から2014年に『an・an』に連載していた小説の実写化で、派遣社員の話ではなく覇権アニメの話です。「10代の頃って、みんなお小遣いが少ないから、漫画を貸し合う文化があると思うんですけど、そんな中でも私には絶対に貸さないと決めた漫画があって、それがCLAMP先生の『聖伝-RG VEDA-』と『東京BABYLON』でした。そのくらい大好きで、憧れの存在だったんです。」辻村深月CLAMPが担当した原作の表紙には女性キャラが3人描かれてるけど、小説では第一章王子と猛獣使いで王子監督と有科プロデューサー、第二章女王様と風見鶏で斎藤監督と行城プロデューサー、第三章軍隊アリと公務員でアニメーター並澤和奈と宗森、最終章この世はサーカスで後日談が描かれてて、映画の尺の関係で並澤和奈の話は減らされてるようで、舞台も新潟から「あの花」の埼玉県秩父市に変更されてる。「私が脚本を担当した映画『ドラえもん のび太の月面探査記』で一緒に仕事をしたアニメ監督・八鍬新之介さんに相談をしたところ、「全12話、各話で起こる内容が書かれたシリーズ構成、そして第1話と最終話のプロットが欲しい」と言われました。」辻村深月劇中アニメ『サウンドバック 奏の石』と『運命戦線リデルライト』の声優には、声優役で出演の「ウマ娘 プリティーダービー」の高野麻里佳の他、梶裕貴、速水奨、潘めぐみ、木野日菜、 高橋李依、花澤香菜、堀江由衣、小林ゆう、近藤玲奈、大橋彩香、アニメ好きにはお馴染みの顔触れが揃っている。「『サバク』は、自分が小学生の頃にまっさらな気持ちで憧れたロボットものを、今の技術でつくったらどうなるかというところから膨らませていきました。」「『リデル』は私自身がファーストインプレッションから衝撃を受けたアニメの集大成です。こんな表現があるのか、今自分はアニメの表現が変わる瞬間を見ているんだなと特に感じたのが、幾原邦彦監督の作品で、多感な時期にリアルタイムに作品を観られたことは私の財産です。」辻村深月エルドランシリーズや勇者シリーズを彷彿とさせる『サバク』の監督は「監督不行届」の谷東、キャラクター原案は『ツルモク独身寮』の窪之内英策、メカニックデザインは「革命機ヴァルヴレイヴ」の柳瀬敬之、「少女革命ウテナ」、「輪るピングドラム」の影響を感じる『リデル』のキャラクター原案は「魔法少女まどか☆マギカ」の岸田隆宏、監督が『ONE PIECE STAMPEDE』の大塚隆史という元東映の人なんは、幾原邦彦監督が元東映やし、主人公のライバルである王子監督の設定が主人公のいるトウケイ動画に昔いたからやとしたら、芸が細かい。出演は『空の青さを知る人よ』の吉岡里帆『僕だけがいない街』の柄本佑『心の傷を癒すということ』の尾野真千子『100日間生きたワニ』の中村倫也『宮本から君へ』の小野花梨『アイの歌声を聴かせて』の工藤阿須加『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』の前野朋哉『BALLAD 名もなき恋のうた』の矢柴俊博「重版出来!」の前原滉「LUPIN the Third -峰不二子という女-」の古館寛治『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の徳井優「クリスタル ブレイズ」の六角精児監督は『水曜日が消えた』の吉野耕平脚本は「死役所」の政池洋佑音楽は「TIGER & BUNNY」の池頼広アニメーション制作はProduction I.G。ネタバレ感想マウスでクリックしながら、なぞってみて下さい。ずっとエクレアを食べれへんで、味方みたいな振りして陰口を言ってるスタッフにキレた後に入院、行城が差し入れしたエクレアがイチゴ味で、チョコじゃないってのはウケたが、原作での好物はドーナツらしくて、アニメ「SHIROBAKO」はこの小説にヒント貰ったんかな?人をイラつかせる物言い、作業の邪魔になるような打ち合わせや取材を受けて、エクレアは横取りする行成は嫌な奴に見えたけど、斎藤監督の今後を考えての行動で、それを斎藤監督自身も気付いててんな。知らんうちにコラボしてたカプメンが、お隣の子供に届いてたからか?でも、面接の時にいたんは覚えてへんかったんや。「サバク」はロボットに乗る度に記憶を失うって、ヴヴヴを連想したけど、最終回で記憶が戻らないと決断した齋藤監督を指示し、うちは大手やから目先より10年後って言った行成は、最初の印象が悪かったから余計に格好良く見えたよな。ラピュタの「人がゴミのようだ」、ガンダムの「親父にもぶたれた事ないのに」、「悲しいけどこれ戦争なのよね」、「弾幕が薄い」、エヴァの「心を開かないとエヴァは動かない」、「風呂は命の洗濯」、オタク向けの映画ちゃうから、引用された台詞は有名どころばかりやね。有科とテレビ局の偉いさんの場面は、絶対ゼーレ意識してるやろ(笑)斎藤監督はアニメ歴は7年くらいで、出崎演出知ってるって凄いやん!失踪した王子監督への有科の腰の入ったストレートは、ボクササイズで斎藤監督と遭遇し、銭湯シーンへ繋げる伏線やってんな。天才王子と新人齋藤、鉛筆とタブレット、リデルのピンクとサバクの水色、熱い有科とクールな行成、対比を意識的に使ってるように見えたが、最初のラッシュはバラバラな方向を見るスタッフの後ろを齋藤監督が歩いてたのに、最後は斎藤監督を先頭に皆が同じ方向見て歩いてるんが、めっさチームの一体感が出てて胸アツやった!最初は「コンテ通りに」、「違います」とか、相手の気持ち考えてへん言い方しかせんかった齋藤監督が、不満やった客寄せパンダのアイドル声優のSNSを王子監督の助言で見ると、舞台の現地に行くほど真剣に取り組んでるんを知って見直し、最後は任せる位に信頼関係が生まれ、具体的なんがええのんと、そうじゃないスタッフ、それぞれに合わせて伝えられるようになったし、めっちゃ成長したよな。土曜夕方8時のアニメが視聴率で覇権争いって、いつの時代やねんって感じではあったが、オタク以外にも分かりやすいようにやろうね。有科は皆殺しを認めてくれたけど、生きるという選択にした王子監督のリデルが映画では覇権を取ったが、小説ではリデルでもサバクでもなく映画でも言葉だけは登場してた夏サビが覇権やったらしい。円盤1位はサバクで、エンドロール後に行成が跳んで喜んでたが、斎藤監督にとっては子供がサバクごっこしてた時点で満足やねんな。王子が突然プロポーズしたけど、恋愛要素を一手に引き受けてたんは、行成は名前が欲しいのに名前を覚えてなかった並澤和奈のパートやね。3人の中では最もオタク度が高いけど、乙女度も高いキャラやし。普段は気弱な感じやのに、作画の時はプロって感じで恰好ええな。