カテゴリ:感情の法則
上司が同僚のことを「彼は頼りになるし、何事も積極的でいいね。将来の幹部候補だ」などと高評価していると、彼のライバルだと思っていた人は嫉妬心が湧いてくる。
「彼は上司にゴマをするのがうまいだけだよ。能力的には自分とそんなに差はないはずだ。どうして彼だけが良い評価をされるのだ。納得できない。・・・」 この心理を小池龍之介氏が上手に説明しておられる。 これは、「他人の幸福度が上がると、その人の価値も上がり、相対的に自分の価値が低くなる」という錯覚に基づいています。 数値でたとえるなら、自分の価値は10のままでも、価値7の同僚が15に上昇すると、自分の10にあまり価値がなくなったかのように感じる。ゆえに毒の味となります。 反対に同僚の7の価値が3に下がると、自分の10の価値がより際立つようになる。 他人の不幸は蜜の味となるということになります。 けれども、それは相対的に考えることによる錯覚にすぎず、そもそも自分の価値が10であることに、変わりはないのです。 (しない生活 小池龍之介 幻冬舎新書 参照) 人間は他人と比較して自分の価値を判定して、優越感や劣等感を持つようになっているようです。 劣等感をばねにして、ライバルとの競争意識を持って、努力精進する人もいます。 ところが優越感を鼻にかけて他人を見下したり、劣等感で自分で自分を否定してしまうこともあります。 比較するということは、自然現象と同じで人間の意志の自由が効きません。 こうした中でどう嫉妬心と付き合っていけばよいのでしょうか。 自分の心の中に湧き上がってきた嫉妬心をそのまま認めて受け入れていくしかないようです。 「彼は上司に高評価されていてうらやましい」 「残念だが今の自分の評価は今一つだ」 「できれば自分も彼のように高評価されたい」 比較することによって、自分の現在地・現状がよく分かるという面もあります。 実はこれは比較するものがないとよく見えてこないものです。 この利点を活用することが大切かと思います。 ポイントは、現実、現状を価値評価しないでしっかりと見つめることです。 よいとか悪いとか価値評価をするからおかしなことになってしまうのです。 森田でいう事実唯真の立場に立つことです。 自分の現在地がしっかりと確認できれば、そこを起点としてどこに向かえばよいのか自分なりの方向性が見つかることがあります。 必ずしも彼をライバル視して、さらに競争心を高める方法に行くとは限りません。 嫉妬心もこのように考えると決して捨てたものではありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.10.18 17:38:35
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