早春の京都へ ~蓮華王院三十三間堂~
所用で、京都へ出掛けました。如月の京は、一年でも特に冷え込みが厳しい時季。盆地特有の底冷えと雪に見舞われ、震えながらでしたが、時間の許す限りあちこち散策してきました。短い滞在でしたが、心安らぐいい旅になりました。早朝の特急に乗り、京都着が8時過ぎ。まず、国宝の蓮華王院三十三間堂へ向かいます。この頃から雪が降り始め、冷気で身が一気に引き締まるように感じました。平安時代末期、後白河天皇によって定められた観音巡礼。長らく途絶えていましたが、平成15年に洛陽三十三所観音巡礼として再興され、コアなファンの間で、観音菩薩巡りが密かな人気を呼んでいます。これは、古都巡礼は、お寺の佇まいや庭園を鑑賞するだけでなく、ご本尊である仏像をじっくり拝見してこそ、お寺本来の姿に触れることが出来るという考え方によるもので、京の観音様を順に巡ることにより、人々の平安や幸せを願う旅です。また、仏像は悟りを開いたお釈迦様の姿をする「如来」と、悟りを開く前の釈迦王子を現す「菩薩」と、二つの釈迦像があります。仏さまの格で言うと、如来が一番高く、菩薩はその次の位。観音菩薩は、より私たち人間に近い存在であり、「かんのんさま」と呼ばれ、皆から親しまれるのはその為なんですね。今回、私には時間がなく、三十三所すべての観音巡礼は諦め、蓮華王院に絞り、観音像を観てきました。蓮華王院三十三間堂には、合計1001体のご本尊があり、その姿と数の多さに圧倒されます。千体の観音様は皆顔姿が異なり、その中に必ず似た人を見つけることが出来ると言われています。私も、知人に良く似た観音様をいくつか見つけ、微笑ましく思いました。若いときは、お寺の巡礼なんて興味が薄かったのですが、最近は古の文化・建造物・美術や工芸品等、もし機会があるなら、自分の目で見みたい・触れたいと思うようになりました。これも歳のせいでしょうか。(笑)