今でも惜しい人を亡くしたものだと…
病院での治療の待ち時間が長いので、肩の凝らない本を1冊持って行っている。今持っていているのは ”中島らもさん” の『獏の食べ残し』というかなり昔の、当然私も過去に一度は読んでいる本です。やはり面白い! この人の視点はちょっと変わっていて、そのちょっと外してくるところがとても嵌まってしまうのです。らもさんは多才な人で、作家で劇作家でエッセイストで役者でミュージシャンでもあって、そのどれもに独特の世界観を持っていた人です。 ”中島らもさん” のことを書いていて思い出すのが、もうかなり昔40年ほど前のことですが、当時の朝日新聞に連載されていた『中島らもの明るい悩み相談室』というコラムが有りました。これがとっても面白かった! このコラム記事が有ったお陰で朝日新聞の評価が上がったとわたしは勝手に思っている。調べてみると、このコラムは1984年から1995年までの11年間掲載された。内容は読者からの相談にらもさんがお答えするという、ただそれだけの単純なものですが、その読者からの相談が珍妙なもので、らもさんの回答が ”くすっ” とさせてくれる絶妙なもので大人気を博したのです。言ってみればくだらない相談にくだらない回答を、その洒脱な返答がなんとも面白かったのです。らもさんはとても頭の良い人で、灘中に上から6番目という優秀な成績で入学し、卒業する時は最下位だったと言われているようです。2004年に43歳の若さで亡くなったけれど、「才能豊かな惜しい人を失くしたものだ」と私は今でも思っている。