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カテゴリ:哲学
「前進、前進だ!もっと腕を振れ!脚を上げろ!」 歓声と拍手が聞こえる中、自分自身の中では肉体と精神が激しい葛藤を繰り返している。
こんな時、人はいくらでも弱くなれるし強くもなれる。 苦しんでいる自分に微笑みかけられる人間は強いけれど、 そうすることのできない弱い人間は、苦しんでいる自分を直視できずに、 現実から逃れることばかり考えようとする。
でもこれが自分自身の限界などではない。 自分の限界はまだまだ遠いはずなのに、 自分が勝手にそう決めつけているだけ。 限界などというものは、きっと自分には見えなくて、 それでも自分の都合のいいように限界レヴェルを設定している。 それはある意味でアンフェアなことだ。
本当は自分の錯覚なのかも知れない。そう疑ってみるだけの価値はあるだろう。
見よ、この表情を。 歯を喰いしばり、顔を歪め、のけぞり返っている。 まるで死神に取り憑かれたような醜い自分の姿を...。 でも、この苦しみは決して苦しみのままで終わらない。 苦しんで苦しんで苦しみ抜いた挙句に、 いつかセカンドウインドが吹くだろう。
その瞬間まではもがき続けるのだ。
(Photo: 1987年ABC篠山マラソン) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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