いつかたどってきたこの道
気づかなかったことだけど、
僕はいつも地平線の先にあるもののことを考えていた。
時にそれは自分の未来であったり、
夢や希望であったのかも知れない。
地平線を越えて今、僕は越えてきた地平線の果てにあるもののことをふと思う。
記憶が正しければ僕は確かにあの場所にいた。
もう戻ることのできない道。
過去という時間の中に永遠に葬り去られた僕の記憶。
帰らざる時間とともに僕は今を生きている。
未来に向かって一歩ずつ一歩ずつ前進していく。
どうあがいてみても、もうあとには戻れない。
たとえ夢破れても、絶望の淵に立たされたとしても。
今という時間しか生きれない、それが僕たちの宿命なのだから…。
(Photo: Nullabor Plain, Western Australia, 1995)