アスンシオンに、シスター山田と呼ばれる女性がいます。
スペイン語では、エルマーナ山田、即ち修道女・山田さん。
このエルマーナが、大金を拾って、正直に警察に届け、
結局、その大金を手にしたことが新聞記事になりました。
記事によると、バスの中でエルマーナの目の前にいた女性が去ったあと、
封筒が落ちていて、そこにはかなりの金額のお金が入っていたのだそうです。
当然のこととして、エルマーナは警察に届けたわけですが、
パラグアイでは、なにか拾って、届ける人はいないそうで、
「こんな正直な人もいるのか」と話題になったわけです。
その後、20人もの女性が「私が落とした」と申し出てきたようですが、
その誰一人として、正しい金額を言える人はいず、
よって、落とし主との特定はできず、結局、
1週間後(パラグアイでは、1週間しか、待たないんですね~)、
警察署長は、拾い主のエルマーナにお金を渡したわけです・・。
そのことも写真付きの新聞記事となり、ネットでは、
妬みや僻みの、罵詈雑言も飛び交ったようですが、
エルマーナ山田は、子供のための施設に、全額寄付したそうです。
エルマーナ山田さんは、移住初期からパラグアイで暮らしていて、
「子どもの頃、幼稚園でエルマーナ山田に随分叱られた」・・
という日系のオジサマ達も、たくさんいます。
日本人のみならず、パラグアイ人からも尊敬されていて、
皇后陛下美智子さまとも懇意で、毎年、美智子さまから、
年賀状が届くのだそうです。
一度、見せていただきましたが、きれいな花の絵の横に、
直筆でお名前が書かれてあって、「オオ」と思いましたね。
まあしかし、そういう出来た女性でなくても、
大金を拾ったら、私のような俗物でもフツーに届けるのが、
日本だろう・・と思うのだけれど、
パラグアイでは、とてもびっくりする行為らしいです。
20人もの人が「自分のだ」と出てくるのも凄いし、
「警察署長が、ネコババしなかったのは、偉かった!」と噂されるのも、
なんかねぇ・・ラテンアメリカなんでしょうかね。
ところで、結局、正しい持ち主が現れなかったそのお金。
どういうお金だったんでしょ
施設に寄付するくらいあったらしいですから、
結構な大金だったと推測されるんですけどね。
お金って、どこの国でも、
「あるところにはある」ものなんですけどね。