京王5000系(初代)のNゲージ
京王5000系は,京王線の近代化を象徴する,名車の誉れ高い車両です。それまで専ら緑色の車両が走っていた京王電鉄で,初めてアイボリーに臙脂色の帯という塗装が採用されました。あ,同車の活躍当時は「京王電鉄」ではなく「京王帝都電鉄」ですね(「京王帝都電鉄」や「帝都高速度交通営団」など「帝都」と聞くとワクワクしてしまいます(笑))。最近ではネコ・パブリッシングからHOゲージのプラキットが発売されたことで話題となりました。昭和57年,最初に京王5000系をNゲージで製品化したのはエンドウでした。真鍮製ボディに美しく塗装が施された製品であり,今日でも高い人気があります。(機芸出版社「プレイモデルNo.10」より京王5000系(エンドウ),京王3000系(同),東急初代5000系(グリーンマックス)の紹介。日本模型新聞鉄道模型版(昭和57年11月)でもエンドウの京王2製品が同時に紹介されている。残念ながら,エンドウはこれらの製品を最後にNゲージから撤退)一方,プラでは平成8年にグリーンマックスから製品化。未塗装板キットではなく塗装済一体ボディキットとして製品化されたことは,時代の変化の表れといってよいでしょう。手軽に楽しめる上,クーラーの形状などを作り分けられるようになっており,キットの良さも生かされていました。(グリーンマックスカタログVol.11より京王5000系のバリエーション紹介)また,グリーンマックスでは同年に富士急行1000形の塗装済キットも発売。地方私鉄の製品が限られていた当時としては,2両で楽しめる車両は貴重な存在だったと思います。その後,高松琴平電気鉄道1100形も塗装済キットで発売されています。そして,トミーテックの鉄道コレクションでは,地方私鉄への譲渡車が多数製品化されています。まず,平成22年にレギュラーシリーズ第11弾として,富士急行1000形,高松琴平電気鉄道1100形,伊予鉄道700系,一畑電鉄2100系を発売。近年ではラッピングの普及により実車のバリエーションが急増していますが,こうした各種バリエーションも続々と発売されています。さらに,京王れーるランドオリジナル商品として,京王5070系2両セット(平成24年)や京王5000系4両セット(平成26年)が発売されています。今年,京王5000系(2代)の導入計画が公表されました。模型の世界では,ぜひ5000系(初代)と共演させてみたいですね。