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カテゴリ:民事執行保全法
第2章 債権執行 5 譲渡命令・売却命令 債権と言うのは,「お金等を支払え」と人に請求できる権利と申し上げました。 ですから、厳密にはお金以外でも何かを請求する権利全般を債権と言います。 例えば,ゴルフをさせろと請求する権利,つまりゴルフ会員権も債権なのです。 そして,債権執行は,ゴルフ会員権のような,お金以外を請求する権利についても執行できます。 しかし,ゴルフ会員権を根拠にしても,ゴルフ場がお金を支払ってくれるわけではありませんので,直接取立ては出来ませんし,転付命令も出来ません。(転付命令は理論上出来そうな気がしますが,ゴルフをさせろと請求する権利自体は金銭ではないので,いくらを弁済したことになるか分からず,転付命令に向いていません。) そこで,ゴルフ会員権を一旦金銭にかえる必要があります。 これを,譲渡命令・売却命令と言います。 あなた自身が買い取ることを譲渡命令,競売にかけることを売却命令と言います。 (譲渡命令等) 第百六十一条 差し押さえられた債権が、条件付若しくは期限付であるとき、又は反対給付に係ることその他の事由によりその取立てが困難であるときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てにより、その債権を執行裁判所が定めた価額で支払に代えて差押債権者に譲渡する命令(以下「譲渡命令」という。)、取立てに代えて、執行裁判所の定める方法によりその債権の売却を執行官に命ずる命令(以下「売却命令」という。)又は管理人を選任してその債権の管理を命ずる命令(以下「管理命令」という。)その他相当な方法による換価を命ずる命令を発することができる。 (以下省略) 今では,ゴルフ会員権のみならず,知的財産権に対する強制執行として譲渡命令・売却命令が使えるのではないかと期待されているそうです。 (その他の財産権に対する強制執行) 第百六十七条 不動産、船舶、動産及び債権以外の財産権(以下この条において「その他の財産権」という。)に対する強制執行については、特別の定めがあるもののほか、債権執行の例による。 応援していただける方は、下記のバナーをクリックしてください。 ※私は、アフィリエイトの画像を参考に、店頭で中身をご確認の上、お買い上げいただくのがベストだと思います。あくまで皆様の便宜としてアフィリエイトリンクをご利用ください。 【参考本】 民事手続法入門第2版 この本は、民事執行保全法以外にも、民事訴訟法や倒産法等の民事手続全般を分かりやすく書いています。 ちなみに、この本と同じ会社が、「民事執行・保全法」と言う本を出していますが、大変内容が高度で難しいため、まずは上の本を読むことをオススメします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年10月29日 07時29分52秒
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