大原寂光院2.
【寂】(じゃく)辞書では、しずかなさま。ひっそり。さびしい。と解釈しています。 京都観光で一番【寂】を感じました所と言えば、【寂光院】の西隣にある、【建礼門院庵居跡地】の石碑の建っている、林と思います。一般客は其処まで行かれませんが、私の場合は、殆どの方をご案内します、縄が張って有ってはいれない事に成っていますが、許しを得て入ります。 入った途端、ひんやりと霊気が漂い、シーンとして、別世界の様に、感動します。自然の林の中で、野菜など洗われたのでしょう.清水が今でも涌き、当時の事を回想することが出来ます。御子、安徳天皇と平氏の菩提を弔う為に、此処大原の里を選ばれました。そのご心痛や察するに余り有ります。近くに三千院。往生極楽院の【阿弥陀三尊】み仏の慈悲深さに此処を安住の場所とされたそうです。 静かさの中で、さびしさも一段と心を痛められていたのでしょう。阿波の内侍が常にお側に仕えて居られました。小さいお花畑が有りました、自ら手折って、本堂地蔵菩薩に捧げられました。林の奥に、翠黛山(すいたいざん)が有って、石段の上に阿波の内侍が、今もお側で眠っています村人たちにも慕われ、ご健康を安じ、野菜や柴漬けを考案して持参して、ねぎらったそうです。 寂光院へのお参りは,人出が多いだけに、よけいひっそりした感じを深く感じます。 此の雰囲気は、やはりお客様と共に感想を謳歌することで、深い想い出に印象付けられるものと存じます。 ちなみに【寂光浄土】とは、仏さんの住んでおられるところの意で、【寂光院】と名付けられたのでしょう。建礼門院様の心の癒しが、偲ばれてなりません。