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クトュルフ神話を生み出した偉大なるホラー小説家、ラヴクラフト。その珠玉の名作を漫画化した作品『狂気の山脈にて:ラヴクラフト傑作集』1巻&2巻を購入しました!
『狂気の山脈にて』はラヴクラフトの代表作ですが、これがまさか漫画で読めるとは・・・。ストーリーの概要は知っていますが、原典は読んだことがなかったので、気軽にこれに接することができるのは良いですね。最近はギリシア語歴史言語学で頭を悩ませたり、"ΞΕΝΟΦΩΝΤΟΣ ΑΓΗΣΙΛΑΟΣ"という文献を地道に解読していたりするので、脳を休ませるという意味でも漫画は非常に重宝します。 名著の漫画化というのはそれほど珍しい例でもありませんが、それらの殆どは原典の良さも漫画の良さも出し切れずに終わるという、中途半端になってしまうイメージがあります。以前、古典の漫画化作品群が書店に並べられていたので、少し読んでみたことがあるんですが、絵柄が世界観に合っていなかったり、ストーリーを簡易に描きすぎてチープになっていたり、酷いものでした。これ以降、名著の漫画化作品に良い印象を持っていなかった私ですが・・・、この『ラヴクラフト傑作集』はその印象を大いに覆してくれました。 今作の優れている点は、その画力にあります。表紙を見れば分かる通り、リアリティ溢れる硬派な絵柄で、コズミック・ホラーを存分に演出しています。その描写力も凄まじく、一コマ一コマがアート作品のように映るほどです。この絵柄と描写力がクトュルフ神話の世界観にマッチし、没入感を飛躍的に高めることに成功しています。この画力のおかげで、ただ画を眺めているだけで目が幸福ですよ。笑 コマ割りも上手く、見開きページを惜しみなく使うことで、印象的なシーンにインパクトも付与しています。上述の画力と相まって、さながら静止している映画を見ているような気分です。この画力を駆使して、是非ギリシア神話の神々をデザインしてほしいですね。笑 現在、『狂気の山脈にて:ラヴクラフト傑作集』は2巻しか出ておらず、まだ完結していません。おそらく次が最終巻になると思われるので、発売日が待ち遠しい毎日です。この漫画家(田辺剛さん)が描くラヴクラフト傑作集は、「狂気の山脈にて」以外にもあるので、それでも買って気長に待とうかな。 クトュルフ神話のことを少しでも気になっている方には、是非とも呼んでほしい漫画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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