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カテゴリ:クラシック音楽
札幌地下鉄開業40周年を記念した無料コンサート。川瀬賢太郎指揮PMFチェンバー・オーケストラの演奏で5曲が演奏された。
整理券ではなく応募が必要だったためか、熱心な音楽ファンの割合が比較的多いコンサートだったようで、ざわついた雰囲気もなく、途中退場者もほとんどいない。いい席から埋まり、開演30分前に行ったのに、2階席横しか空いていなかった。 弦楽だけの曲を集めた前半は、しかしこの席でよかった。指揮者を含めた演奏者の表情がよく見えるし、弦の音は直接音が届く。26人の弦楽奏者は川瀬賢太郎のきびきびした指揮に実によく反応し、切れ味のいい、しかし歌やニュアンスにも不足のないモーツァルト(アイネ・クライネ・ナハトムジークの第一楽章)、バッハ(G線上のアリア)、J・シュトラウス(ピチカート・ポルカ)、チャイコフスキー(弦楽セレナードの第一楽章)を響きかせた。 モーツァルトやシュトラウスでは拍にとらわれがちな日本人音楽家によく見られる悪癖を感じたが、バッハやチャイコフスキーではこの若い指揮者のみずみずしい感性を聴くことができた。 休憩後は1階7列目に移動。そこで聴いたベートーヴェン「交響曲第7番」は、いままで聴いた最速の「ベト7」ではなかったろうか。 しかしそうしたテンポにもかかわらず音楽が前のめりになったり舌足らずになったりすることなく、爽快な中にも強い音楽的密度を感じさせる演奏で、すべての音にこの音はこう響かなければならない、という指揮者の強い信念が感じられる。大指揮者のモノマネはまったくなく、この指揮者ならではの個性的な楽譜の読みがひとりよがりになっていない。要所で叩きつけられる強烈なアクセントはこの曲にふさわしく、スケルツォのメリハリといいフィナーレの急加速といい、胸のすく快演。 若手指揮者では山田和樹とこの指揮者に注目していたが、初めて聴いて、この世代のトップランナーのひとりと確信した。 バーンスタインを直接知らない40名弱の、平均年齢30歳前後とおぼしき若者オーケストラは、機敏さなどいわゆる名門オーケストラにはない魅力があり、指揮者の実力をストレートに聴くことができる。まじめでひたむきな演奏態度にも好感。中ではオーボエとフルート首席はプロ・オーケストラの首席になる実力の持ち主と感じられた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 3, 2011 12:37:12 PM
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